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「自主キャプテン」福原愛の止まらぬ涙。
卓球女子、歓喜の銅メダル (3ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 リオ五輪の期間中、福原は「キャプテンとして」という言葉を頻繁に使っていた。「キャプテンとしてチームを勢いづけたい」。「キャプテンとして、(シングルス初戦で)負けた佳純ちゃんの分まで」と。しかし、大会を総括する場で、村上恭和監督は明かした。

「じつは、今回に限っては福原選手にキャプテンを任せていないんです」

 世界卓球ではキャプテンを任せていたが、今回は福原にそのような役目を託していないという。チーム最年長の責任感と、自分の言動によってチームを支えなければいけないという自覚が、福原が自身をキャプテンだと信じ込ませてしまったのだろう。

 4年前に手にした銀メダルより色の輝きは劣る。しかし、福原にとってはロンドン以上の価値がある銅メダルだった。

「4年前は日本卓球界にとって初めてのメダルでしたし、大会を勝ち上がる勢いに乗って、そのまま突っ走って獲れたメダルだったと思うんです。今回のリオは、(ロンドン以上の結果を求められる)プレッシャーというものがすごくありました。そういった中でチーム一丸となって、ひとつひとつの試合を乗り越えながら、どんどんいいチームになっていったなと思っています」

 幼少期から日本中の期待を背負い、27歳とはいえ既に4度の五輪経験を積んでいる福原に対し、いたずらに4年後の期待を口にすることはできない。福原は言う。

「今はまだ終わったばかりなので、まずはこの銅メダルの嬉しさの余韻に浸りたい」

 それでもやはり......4年後、歓喜の涙が止まらない福原の姿を見てみたいと思う。

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