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「自主キャプテン」福原愛の止まらぬ涙。
卓球女子、歓喜の銅メダル (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 3位決定戦の相手はシンガポールだった。第1試合のシングルスに登場した福原は、第1ゲームを先取するも、ゲームカウント2-3で敗れてしまう。第2試合のシングルスには石川が登場し、世界ランキング4位のフェン・ティアンウェイとのエース対決をストレートで制す。

3位決定戦の第4ゲームで伊藤美誠が勝利し、銅メダルを決めた3位決定戦の第4ゲームで伊藤美誠が勝利し、銅メダルを決めた 続くダブルスの福原・伊藤ペアは第1ゲームを落として迎えた第2ゲームを12-9で制す。最後のポイントは、ラリーの末に、伊藤が打ったボールがエッジボールとなった。リオにおける福原は、個人戦の3位決定戦や団体戦・ドイツ戦の大事な局面で、エッジボールに泣かされてきたが、この幸運が福原と伊藤に流れを引き寄せる。そして残りの2ゲームを連取して日本が逆転に成功した。

「最後に(これまでの不運が)全部返ってきた(笑)。やっぱり神様はいるんだなって思いました」

 第4ゲームは連戦となる伊藤がシングルス戦に臨み、フェン・ティアンウェイをストレートで下した。試合前にはタブレット端末で相手の試合映像を確認し、福原や石川にアドバイスを受けていた。15歳の伊藤は言う。

「(相手のフェンは)石川さんも福原さんも、この大会で戦っている選手だったので、戦術や、どんなことをやってくる選手なのかを教えていただきました。私はただ『思い切ってやろう』と心掛けてぶつかっていくだけでした」

 勝利で貢献はできなくとも、福原は心の支えとしてふたりの後輩を援護射撃した。

「今回はキャプテンということで、負けても勝っても私が動じたらダメだと毎日強く思っていたので、『絶対に泣かない』って決めて頑張っていたんですけど、最後に勝って......泣いちゃいました」

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