【卓球】女子団体で福原愛「もう銀では満足できない」 (2ページ目)
2-0で迎えた第3ゲームを、3-3から連続9ポイントを取られて失うと、第4ゲームも0-7と追い詰められた。それでも福原は諦めなかった。自分が置かれている状況をしっかりと見極めて何をすべきかを冷静に考えた、という。そこからの挽回はすさまじかった。3-9から攻撃的なショットで押しまくって逆に7ポイントを連取して10-9とリード。4度のジュースにもつれ込んだ末、3度目のマッチポイントを手にして15-13で金星を手にした。
ゲームカウント3-1で初勝利した瞬間、福原はベンチに向かって歓喜のジャンプをしながらガッツポーズを見せた。
試合後の取材エリアでは多くの中国メディアに囲まれて中国語で受け答えをしていた福原。中国での人気も衰えていないことがうかがえた。ベテランの域に入った卓球の申し子も、今年2月には左足小指の疲労骨折が分かり、完治までに半年近くかかった。出場したかった世界卓球団体戦をやむなく欠場。激戦を繰り広げて決勝まで勝ち進んだ仲間を見て悔しさが募った。「福原は必要ない」と思われないかと、31年ぶりに獲得した世界卓球団体銀メダルを素直に喜べない自分がいたという。
だからこそ、変わらぬ存在感を見せつけなければならなかった。5月から馬場美香コーチに師事して、フォーム改造に取り組み、激しい練習に励んで万全の状態でアジア大会に乗り込んできた。チームとしてはまたも王国に勝つことはできなかったが、一矢を報いた福原にとっては大きな手応えをつかむことができたはずだ。
「公式戦で丁寧選手に初めて勝ちました。試合直前まで(馬場)美香先生(全日本選手権女子シングルス7度の優勝を誇る=旧姓は星野)に、ずっと戦術とか技術とか心理面とかいろいろアドバイスをいただいて、しっかりと準備をすることができました。
初めて勝てたのですごく嬉しいんですけど、チームが負けてしまったので悔しい気持ちが大きい。ロンドン五輪のときはシンガポールに勝って嬉しくて泣いたんですけど、今日は中国に負けた時にすごく悔しかった。自分が中国に少し近づけているのかな、進歩かなと思うんですけど、技術とか戦術とかはもちろんですが、中国に勝ちたいという気持ちになってきたと思います。今日は初めから勝つつもりでやりました。
今回はベンチに入れてみんなで一致団結して頑張れたことが嬉しく、1試合でも多く試合をしたかった。ケガから復帰してすごく順調に来ていると思っていますし、復帰したら前の自分を超えたいとずっと思っているので、すごくいい感じでこれていると思います」
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