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男子バスケ日本代表は河村勇輝の不在の穴を痛感 盤石と思えたPGのポジションは一転して弱点に (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【河村はサメのように食らいついた】

 8月10日のグアム戦では、3Pを40%の確率(50本中20本成功)で決めて102−63と大勝を飾った。それでも、ホーバスHCがテレビ局のインタビューで「3Pはよかったと思いますが、ペイントアタックや2Pシュートがちょっと足りない。オフェンスのバランスがおかしい」と述べていたように、十全に満足のいく内容ではなかった。

 攻撃の起点となるPGには、オフェンスのバランスのさじ加減も担う必要がある。グアムのディフェンスはあまりに緩かったが、アジアカップの上位チームやその先の世界の強豪たちは、やすやすと50本もの3Pを打たせてくれるはずがない。

 また、攻撃面のことばかり記してきたが、サイズで劣る日本にとっては、前からプレッシャーをかけて相手の攻撃テンポを遅くさせる、あるいはミスを誘うといったことが肝要だ。PGも当然、相手のPGに対して激しく当たる必要がある。

 2022年の前回のアジアカップでは、直前にA代表デビューをしたばかりの河村が「サメのように食らいつく」(ホーバスHC)ディフェンスで存在感を印象づけた。肉体強化を図った今でも、そのような守備は小柄な河村にとって大きな武器となっている。日本代表としてプレーするPGには、攻撃だけでなく守備で求められるものも大きい。

「本当に多くの選手が、この(代表)チームにいたいと思ってくれるようになりました。ここへたどりつくために、激しくプレーをしてくれています。そういうものが一度できれば、自分たちがどこまで行けるか限界はありません。私たちには目標がありますし、これからもずっと上達をしていきたいです」

 シリア戦後の記者会見で、ホ―バスHCはこのように話した。

 代表に入りたいと手を挙げる者が増えたことは、間違いないだろう。ただし、日本が目指すところは、世界の強豪と伍して戦えるようになることだ。

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