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NBAでプレー&指導実績 バスケ女子日本代表ゲインズHCが目指す「オーガナイズド・カオス」とは

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

バスケットボール女子日本代表
コーリー・ゲインズHCインタビュー(前編)

 2025年1月、日本バスケットボール協会(JBA)は女子日本代表チームの新HC(ヘッドコーチ)にコーリー・ゲインズ氏が就任することを発表した。

 ゲインズ氏は1988年のNBAドラフト3巡目でシアトル・スーパーソニックスから指名を受け、4チームで計5シーズンプレーした元NBA選手。1990年代後半には日本リーグのジャパンエナジーでもプレーした経歴を持つ。引退後は女子日本代表の臨時コーチ、そして2021年から男子日本代表のアソシエイトHCとしてトム・ホーバスHCの「右腕」を担ってきた。

 ゲインズ氏はFIBAアジアカップ予選ウインドウ3をもって男子代表の任を離れ、3月から女子代表の専任HCとなる。彼に求められる使命は、昨年のパリオリンピックで全敗を喫した女子チームの再建だ。

 日本人の祖母を持ち、この国に「恩返しがしたい」と語るゲインズHCとは、どのような人物なのか。そして女子日本代表をどのように導いていくのか、じっくりと話を聞いた。

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ゲインズHCはどんな手法で女子日本代表を強くするのか photo by Kai KeijiroゲインズHCはどんな手法で女子日本代表を強くするのか photo by Kai Keijiroこの記事に関連する写真を見る── ゲインズHCは選手としても、コーチとしても、日本バスケットボール界との関わりが深い方です。とはいえ、女子日本代表のHC就任には少し驚かされました。

「ジャパンエナジーでプレーしていた時にGMだったマサさん(高橋雅弘氏/現Wリーグ専務理事)は、いつも私に『なにかあったら連絡させてもらうからね』と言っていました。その後、私は引退してWNBAフェニックス・マーキュリーでAC(アシスタントコーチ)、HCとして優勝という結果を残したのですが、その時にマサさんが電話をくれて『日本の女子バスケットボールを変えたいので、手伝ってくれないか?』と伝えてきたのです。

 当時の私はNBAフェニックス・サンズのACも務めていたので、日本に来る時間を確保することはできなかった。ですが、『待てよ......それならば日本の選手たちをアメリカに連れてくればいいじゃないか』と。そう思い立って、アメリカの指導法を日本の選手に伝えたのです」

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著者プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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