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バスケ日本代表で大注目の18歳は206cm 渡邉伶音のポテンシャルは渡邊雄太を超える? (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【18歳当時の渡邊雄太と比べてみると...】

 ホーキンソンは208cmのビッグマンながら3Pに秀でており、2対2の場面でスクリーナーとなったあと、外に広がって外角シュートを打つ「ピック・アンド・ポップ」を武器とする。渡邉もこの動きが得意で、29歳のホーキンソンも彼のことを「18歳ごろの自分自身を見ているようだ」と評している。

 ただ、ホーキンソンの動きに近いところはあるものの、渡邉のポテンシャルを見ていると、もうひとりの日本代表選手の顔を思い浮かべる。渡邊雄太(千葉ジェッツ)のような存在になれるのではないかと。

 身長と体重は、渡邊雄太とほぼ一緒。渡邊雄太も大きな体躯を持ちながら、アメリカの大学やNBAでの経験を経て、またそこで生き残るための術(すべ)として、ドリブルや3Pなどアウトサイドの選手としてのスキルを徹底的に磨いてきた。

 30歳の渡邊雄太と比べると、当然ながら高校生の渡邉伶音はまだ線が細い。ホーバスHCは世界と伍するためにフィジカルの強さを選手に求めるが、そこは渡邉も認める今後の課題だ。

 もっとも、ホーバスHCは渡邉のフィジカルを「弱い」とは感じていない。ただ、試合では単なる体の強さだけでなく、相手選手への体の当て方やタイミングなどが勝敗を分ける。そこは渡邉が「向上しなければならない」というフットワークとも関係してくるだろう。

 渡邉伶音と渡邊雄太の体躯はほぼ同じと書いたが、高校3年生時の後者は身長197cmに対して体重は90kgもなかった。少なくともこの年齢時の比較では、渡邉伶音のほうが大きい。

 また、渡邊雄太はNBAで40%という高いシーズン3P成功率を記録しているが、彼が本格的に3Pを打つようになったのはアメリカへ渡ってから。渡邉伶音の3Pの技量は、渡邊雄太の18歳ごろよりも確実に高い。

 現時点では渡邉伶音のほうが、18歳時の渡邊雄太より素材を生かしていると言えるのではないだろうか。あとはその素材という「芽」を将来、どこまで大きな「花」として咲かせられるか。そこが肝要だ。

 渡邊雄太はアメリカへ渡ってたくましさを増し、もともと持っていた向上心や意識の高さで技量を上げていった。現在フィジカルやフットワークを課題としている渡邉伶音に、そういった「気持ちの質」がどこまで備わっているのか、これから見ていきたい。

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