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バスケ日本代表「八村・河村・渡邊の不在」をどうする ホーバスHC2期目の新たなキーマンは? (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【男子日本代表の新たな手札となるかも】

 身長184cmと日本人PGとしては大柄な部類に入り、体をぶつけることも秀でている中村には、まさに中に切れ込んで相手のディフェンスを収縮させ、そこから空いたアウトサイドの味方へパスを送る役割が期待されている。

 中へ切れ込む動き自体は、スピードに長ける日本の多くのPGが得意とするものの、中村の場合はチェンジ・オブ・ペース、つまりドリブルで緩急をつけながらディフェンスを揺さぶることを得意としている。これまでホーバスHC体制下にはいなかったタイプの選手と言えるかもしれない。

 パリ五輪で日本は、重視する3Pの確率で全体3位となる39.3%を記録した。その一方で2Pの成功率(39.0%)と平均アシスト(4.3本)はいずれも最下位となり、敗因の一端となった。

 ホーバスHCのバスケットボールスタイルは、ボールと人が動きながら得点機を探るものだ。だが、このように芳しくない数字が残ったことは、オリンピックレベルの相手にはその理想とするバスケットボールを体現できなかったことを示唆する。

 脇や中村のように、3Pに課題はあっても当たりの強さがあり、中に切り込みながらシュートやパスをさばくことのできる選手たちが能力を発揮することができたら、男子日本代表の新たな手札となるかもしれない。

(後編につづく)

◆後編>>「ニューカマー」注目は204cmの高校生ビッグマン

著者プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

【写真】パリ五輪女子バスケ「日本代表・全メンバー」ギャラリー

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