バスケ日本代表が世界王者ドイツに勝つためには? 元キャプテン篠山竜青の分析「カギはこっちが握っている」 (5ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【トム・ホーバスHCはやっぱりすごい人】

── 相手を慌てさせたい。

「相手がイライラしちゃったりするような、そういうエナジーで向かって行ってほしい。今回の代表チームは史上最強とはいえ、まだまだ世界の物差しで見たらチャレンジャーであることは間違いないので。鋭く襲いかかる姿勢は忘れないでほしいです。

 彼らのなかの秘められた熱さを、オリンピックの舞台で出してほしいなって思っています。心を動かすようなプレーで、『やっぱり日本のバスケって面白いんだ!』っていうのを、国民のみなさんにまた届けてほしいです」

── 東京オリンピックのような惨敗にはならないと期待していいでしょうか?

「トムさんがそうさせないと思います。そうさせないための準備をやってきたので、大丈夫です。トムさんが就任して初めての試合となった中国戦(2021年11月/第1戦63-79、第2戦73-109)、あの試合はひどくやられて、『これから大丈夫なのかな、ダメかもしれないな......』という雰囲気からここまで飛躍させてきたんですから、やっぱりすごい人だと思います」

<了>


【profile】
篠山竜青(しのやま・りゅうせい)
1988年7月20日生まれ、神奈川県出身。小学3年生から横浜でミニバスを始め、福井・北陸高校→日本大学を経て2011年に東芝ブレイブサンダース(現・川崎)に加入。日本代表には2016年から選出され、2019年ワールドカップではキャプテンを務めた。ポジション=ポイントガード。身長178cm、体重75kg。

プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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