バスケ日本代表が世界王者ドイツに勝つためには? 元キャプテン篠山竜青の分析「カギはこっちが握っている」 (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【五輪直前にドイツと戦えるのは精神的に有利】

── 昨年のワールドカップで富永選手は、ドイツやオーストラリアといった世界トップレベルのチームを相手にシュートが入らず苦労しました。八村選手のような相手のディフェンスを引き寄せる選手がいると、よりシュートが打ちやすくなりそうですね。

「変わると思いますよ。八村選手も渡邊選手もディフェンスリバウンドを取って、自分でそのままプッシュ(ドリブルで前に運ぶ)できるので、富永選手がコーナーまでしっかり先に走っておけば必ずチャンスは出てくると思います。

 また、富永選手のシュートが2、3本決まれば、今度は彼からディフェンダーが離れなくなってくる。そうなれば、逆にそのスペースを使って比江島選手などがアタックできれば、日本のリズムになるんじゃないかと思います」

── パリオリンピックで日本(世界ランキング26位)は、ドイツ(3位)、フランス(9位)、ブラジル(12位)と対戦します。決勝ラウンド進出を目標に掲げている日本にとって、どのチームとの対戦がカギになると思いますか?

「初戦のドイツでしょう。でも、初戦の入りの悪いのが、日本なんですよ。ほんと、ちゃんとやってほしい(笑)」

── ドイツとは昨年のワールドカップの初戦で対戦し、今回のオリンピックでもまた初戦。五輪直前にもベルリンで強化試合をやります。これはどう見ればいいのでしょうか。

「さすがに慣れるんじゃないですか。やっぱり日本は慣れたほうがいいと思いますよ」

── 相手の実力がわかっている状態でオリンピック本番に入るほうがいいと。

「ワールドカップの優勝チーム(ドイツ)とオリンピック本番で『初めまして』でやるよりはいいと思います。『ワールドカップでは20点差(81-63)だったな』『後半は意外とやれていたな』と思えることのほうが大事。最初からビビらずに試合をイメージできるのは、日本にとってはめちゃくちゃ有利だと思います。

 結局のところ、カギはこっちが握っていると思うんですよね。ワールドカップの初戦では、自分たちが出だしで緊張したり、気負ったり、固くなったりしたのが大きかったんじゃないかなと思うので」

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