バスケ日本代表が世界王者ドイツに勝つためには? 元キャプテン篠山竜青の分析「カギはこっちが握っている」 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【フランスとの試合は「未知との遭遇」】

── ドイツはインサイドが強く、ワールドカップの対戦ではリバウンドで上回られています。ただし、今回は八村選手がいるので、そういった展開も変わってきそうですね。

「そうなんですよ。(八村選手が入ると)マジで違いますからね。だから、いかに本番の初戦までにワールドカップの時のドイツ戦の感覚を思い出して、慣れて、出だしで走ることができれば、(勝利は)なくはないんじゃないかと思うんですよ」

── ワールドカップとオリンピックとでは、メンツも違いますし。

「スタートは、河村選手、比江島選手、渡邊選手、八村選手、ホーキンソン選手でしょうか。ワールドカップの時より戦えそうです」

── 2戦目のフランスはどうでしょう。インサイドには、ルディ・ゴベア(C/ミネソタ・ティンバーウルブズ)やビクター・ウェンバンヤマ(PF/サンアントニオ・スパーズ)といったNBA選手がいます。

「まさに(ふたりとの対戦は)『未知との遭遇』ですね。楽しんでやってくれればいいなと思います。『こいつを越えていくためのフローターってどれくらい浮かせばいいんだろう......』みたいなことを考えながらね。

 日本は『史上最強メンバー』と言われますが、若い選手が多いので失うものはない。ウェンバンヤマは『次のNBAの顔』なので、彼と対戦するだけですごくいい経験になります。何も恐れず、思いっきりやってほしいですよね」

── それが日本の未来につながると。

「はい。日本の170cm台、180cm台、190cm台の選手、1番、2番、3番の選手......日本代表の12人だけじゃなくて、Bリーグの選手、アンダーカテゴリーの子どもたち、指導者の方々、みんなで今の日本の現在地を知って、日本が世界に追いつくために何をしなきゃいけないのかを考えないといけない」

── パリオリンピックは、日本バスケット界のさらなる発展における過程ということですね。

「そうです。だから、選手たちには思いきったチャレンジを、萎縮せずにやってほしい」

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