バスケ日本代表が世界王者ドイツに勝つためには? 元キャプテン篠山竜青の分析「カギはこっちが握っている」 (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【比江島慎の集大成を見てもらいたい】

── 八村選手、渡邊選手、河村選手以外に注目している選手は?

「このオリンピックは『比江島慎の集大成』になるのではないかと思っています。彼は日本バスケ界が育てた"至宝"ですから。

 八村選手、渡邊選手、富永選手は学生時代から海を渡ってアメリカに挑戦し、河村選手もついに出ていきます(メンフィス・グリズリーズとエグジビット10契約を締結)。そういう選手たちがたくさんいるなか、比江島選手はずっと日本でプレーしてきた『生え抜き』で、大学生の時からA代表に呼ばれています。日本で育った天才の、長い代表生活の、おそらく集大成。ファンのみなさんには、そこを見てもらいたいですね」

── 比江島選手自身も「集大成」と発言しています。

「本当は(競争によって年長の選手たちは)追い出されないといけない立場なんですよ。下の世代に新たな才能がたくさんいるからもう代表メンバーに残れない、というのが一番の理想ですけどね」

── 篠山選手は比江島選手と同世代(篠山が2歳年上)です。ワールドカップのベネズエラ戦で比江島選手が次々と3Pシュートを決めて逆転勝利につなげたパフォーマンスを見て、どんな気持ちでしたか?

「ノリノリだな、と思って見ていましたよ(笑)。いやでも、うれしかったですよ」

── 最後に、日本代表にパリオリンピックで期待することは?

「勝つか、負けるか、結果はわからないです。ただ、世界のトップファイブに入るような強豪国であるドイツやフランスとの試合で、出だしからガーッと行って、相手が慌ててタイムアウトを取るような展開になったら、めちゃくちゃしびれますね。

 日本の勢いが最初からすごくて、会場にいる観客もビックリして、相手が動揺してタイムアウトを取る......みたいな。そんな"ファーストパンチ"が打てたら最高ですね」

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