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河村勇輝のNBA挑戦を可能にさせたのは何か 韓国との連戦で見せた「全力で挑む姿勢」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 その厳しさがなければ、彼のサイズでNBAに挑戦することなど、できないのかもしれない。

「富永選手の3Pを2試合ともうまく使えず、よさを引き出せていなかったと思います。ドイツ、フランスに勝つには、彼の3Pや爆発力が必ず必要になるはずで、今日は、1本でも決めてほしいなと思っていました(第4クォーターに1本決まった)。これで(パリ五輪に向けて)流れを作ってくれるんじゃないかと思います」

 河村はそう言って、視線を上げた。彼の放つ覇気が、チーム全体に伝播していたのは間違いない。全身を震わせながら雄叫びを上げると、その熱は会場全体をも巻き込んだ。

「今後は、このチームに(渡邊)雄太さん、(八村)塁さんが入ります。オフェンスコンセプトは変わらないと思いますが、変わる部分もある。悲観することなく、今日出た課題に取り組みたいです」

 そう語った河村は、至高の勝利のために自らを磨き続ける。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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