町田瑠唯と林咲希は日本代表として一緒にパリ五輪へ「焦りしかない」「アメリカとできるの、すごい楽しみ!」 (2ページ目)
町田瑠唯と林咲希のコンビで富士通はさらに強くなった photo by Kaz Nagatsukaこの記事に関連する写真を見る── 町田選手としては、林選手と代表で一緒にやり始めてから彼女の実力に驚いたと?
町田 「こんなにクイックで打てるんだ」「あんなにガーって走ってポンって打てるんだ」っていう感覚はありました。そんなシューターは新鮮というか、今までに見たことのないタイプだったし、こっちがいいパスを出せば決めてくれるので、それは驚きましたね。
【「キキ! お願い!」と思ってボールを託した】
── 東京五輪の準々決勝・ベルギー戦で試合残り数秒、町田選手のパスから林選手がフェイクで相手選手を飛ばしてからステップバックで逆転の3ポイントをねじ込んだ場面は、日本代表のハイライトのひとつでした。あのプレーはセットプレーで、しかし相手に崩されてうまくいかなかったところからの展開でした。
町田 (シュートを)狙えなかったんだよね。
林 「ああ、やばい」と思いました(笑)。
町田 残り数秒しかなかったので、最初は私がレイアップで決めに行くか、ファウルをもらう覚悟でドライブに行こうと思ったんです。だけど、視界の隅にパッとキキが現れたので「キキ! お願い!」と思ってボールを託しました。
林 見えているのが、すごいんだよなぁ......。あの状況で、あえてパスは出せないと思うんですよね。
トムさんのバスケットスタイル的には、最後はガードが1対1で勝負をしなきゃいけない状況だったんです。だけど、あそこでシュートを打てるようなパスを出してくれました。
普通だったら、あそこは「ドライブに行こう」ってなっているから、ちょっと(思考が)トラブるんです。私はあそこでシュートフェイクをしたんですけど、瑠唯さんからのパスは本当にシュートが打ちやすいものだったんですよね。
── 東京五輪での銀メダル獲得という偉業は、ふたりにとってはどういうものですか?
町田 私にとっては「過去」です。過去でしかないって思っています。
林 私も「過去」ですね。でも、いい意味で捉える人もいていいと思います。
── それを自信にして、と。
林 はい。自信にしてガンガンやれる人もいれば、自分みたいに不安に一度なって、それからきっちりやっていくタイプに分かれると思います。
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