町田瑠唯と林咲希は日本代表として一緒にパリ五輪へ「焦りしかない」「アメリカとできるの、すごい楽しみ!」
富士通レッドウェーブ
町田瑠唯×林咲希スペシャル対談(後編)
◆町田瑠唯×林咲希・前編>>「ルイさんは先輩っぽく...」「先輩っぽくってなんだよ!」
町田瑠唯と林咲希はともに2021年の東京五輪に出場し、銀メダル獲得に大きく貢献した。しかし恩塚亨HC(ヘッドコーチ)体制になって以降、林がキャプテンを担いながら活躍を続ける一方で、町田はWNBAへの挑戦や故障などの理由で出場機会がなく、置かれた状況は異なる。
だが、ふたりは今夏のパリ五輪で再び日本代表のユニフォームを着て、一緒に大舞台のコートに立つことを希望している。富士通レッドウェーブでチームメイトとなってコンビネーションを深めたふたりがともに代表メンバーに選出されれば、どんな化学反応を見せてくれるのか。日本代表への思いを聞いた。
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今季からチームメイトとなった町田瑠唯と林咲希 photo by Koreeda Ukyoこの記事に関連する写真を見る── ふたりは東京五輪のメンバーに選ばれて銀メダル獲得に貢献しましたが、町田選手がリオ五輪にも出場していた一方、林選手の選出はやや遅く、代表に入った時期は異なっています。当時はお互いをどのように見ていたのですか?
林 私はA代表に入る前、B代表で活動していたのですが、その頃はA代表の人たちがめっちゃ怖かったです(笑)。アースさん(宮澤夕貴/富士通)とか長岡萌映子さん(ENEOSサンフラワーズ)とか、オーラが怖くて話しかけられなかったんですよ。初めて代表に入った時からトム(・ホーバスHC)さんもずっと怖いし。でも、瑠唯さんはなんかフワっとした感じの人でした(笑)。
町田 あははは(笑)。
林 瑠唯さんとはたしか、ベルギーと戦った時(2019年5月末/水戸での強化試合)に初めて一緒に試合に出たかもしれないです。もう、その時がめっちゃ楽しくて。瑠唯さんがアシストを2本くらいしてくれて。3ポイントも5本決めたんですけど、最初に流れを作るパスをしてくれたのが瑠唯さんだったのをすごく覚えています。その時に初めて「すごいなあ」と思いました。
── 町田選手は、林選手のことはどう見ていましたか?
町田 キキ(林選手のコートネーム)のことは彼女が大学生の時から知っていました。よく動くし、走るとは思っていました。ただ、その時はすごいシューターだっていうイメージではなかったと思います。
でも、お互い代表に入って一緒に練習すると、キキはパッとやってパっとできちゃう。だから一緒にプレーしていて「めっちゃ楽しい!」という感覚はありましたね。
自分もその頃は(ポイントガードの)2番手、3番手で、試合にも全然出ていませんでした。なので、キキとは(試合に)負けていて追い上げるタイミングで出ることも多かったんです。そういう場面で出るということは「キキの3ポイントだよね」というのはわかっていたので、彼女もそういう動きをして決めてくれました。
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プロフィール
永塚和志 (ながつか・かずし)
スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。
Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、 2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。 他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験 もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社) があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・ 篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社) 等の取材構成にも関わっている。