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井上雄彦×渡邊雄太スペシャル対談03「日本のバスケで体格の小さいほうが大きいほうを倒す。多くの日本人の共感を呼ぶ気がする」 (4ページ目)

  • 伊藤 亮●取材・文 text by Ito Ryo
  • 細野晋司●撮影 photo by Hosono Shinji

渡邊 トムはまず「アジア1位になってパリ(五輪)行きを決める」というのを、わかりやすい目標として掲げてくれています。

井上 なるほど、段階を踏んでいくと。では、それを叶えてほしい。

 トムのバスケットっておもしろい。トランジションが早くて、スリーポイントがバンバン入るのも見ていて気持ちがいい。体格の小さいほうが大きいほうを倒す、というのもおもしろいし。トムはサイズにあまりこだわっていらっしゃらない。そのことが多くの日本人の共感を呼ぶ気がする。

渡邊 今の日本代表チームとはまだそこまで交流できていないのですが(※対談当時)、キャプテンの富樫勇樹とは仲がいいので「チームの雰囲気はどう?」などと、いろいろ聞いていて。彼によると雰囲気はすごくいいらしいです。

 みんなで代表メンバー枠を争っているなか、最終的に落選してしまう選手も当然いるので、厳しい競争はあります。であると同時に、全員で全員を高め合っていると。いい緊張感といい雰囲気のなかで毎日練習ができていると言っていました。

 勇樹とは10代の頃からの仲。僕のなかでは、高校生の頃のイメージがそのまま大きくなった感じなんですけど(笑)、今の若い選手からしたらしっかりしたリーダーなんだと思います。日本代表では僕もリーダーシップを発揮して、彼と一緒に代表チームを引っ張っていければ。

井上 これは余談なんだけど、今、海外のスポーツ紙から聞かれていることがあって。そこに今回のワールドカップに対する日本の質問があって。まだ答えていないんだけど、日本が少し下に見られているような質問が少なくなく......。悔しさを噛み締めつつ、答えを考えているところで。

渡邊 (笑)。

井上 でも、思うのは、世界を驚かせてほしいなということ。トムのバスケットを今回のワールドカップで見せてくれればおもしろい。日本のバスケット自体がおもしろければ、ゲームを見るのがすごく楽しくなる。それが今後、ファンが増えることにもつながる。

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