スラムダンク奨学生が『SLAM DUNK』を大いに語る。「プレーは流川楓、キャラクターは桜木花道が好き」 (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文・撮影 text & photo by Miyaji Yoko

──『SLAM DUNK』のなかで一番好きな言葉は?

「ずっと『バスケがしたいです』が一番好きでしたね。その気持ちが自分もすごく強かったから。高校でも怒られて練習させてもらえない時期がすごく多かったんです。だからそういう時、その言葉がいつも出てきましたよね。

『バスケしたいな、バスケしたいな......』って思いながら、ずっと(罰として)学校内の掃除をしていました。体育館の下の階で『あー、バスケしてえなー』と思いながら掃除をして、先生が来たらすぐ走って謝りに行く......みたいな、そういう生活だったんで。すごくありきたりな、みんなが選ぶようなフレーズですけど、自分的にはすごく沁みるんですよね」

── バスケット選手の気持ちとして、一番の根本ですよね。それを忘れなければ、壁があったり、苦しいことがあっても、乗り越えられると。

「そうですね。好きじゃなかったら続かないんで。やっぱり、バスケをした時はすごく楽しいから。バスケしてる時の自分が好きですし、チームメイトがシュートを決めた時は自分もうれしい。もちろん自分の成功もうれしいんですけど、それよりチームメイトがいいプレーしたり、いいハッスルプレーした時のほうが、なんか自分的にはうれしいんですよね。

 自分のやることは『これをしなきゃ』『よし、これができた』みたいに課題を1個1個チェックしていく感じなんですけど、味方がいいプレーすると自分の成功よりもうれしい。結局、ひとりじゃバスケはできないんで。周りがうまくいって、自分もうまくいくと、もう絶対、それはいい試合になる」

──『SLAM DUNK』がそういう漫画ですよね。いろいろなキャラクターがいるけれど、それぞれに持ち味があって、そしてチーム全員で戦っている。

「そうなんですよ。だから『SLAM DUNK』が大好きなんです。バスケ漫画だけど、人生漫画というか。人生として大事なことが、あの漫画には入ってるなと思います。

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