スラムダンク奨学生が『SLAM DUNK』を大いに語る。「プレーは流川楓、キャラクターは桜木花道が好き」 (2ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文・撮影 text & photo by Miyaji Yoko

── 以前の取材で一番好きなシーンについて聞いたら、山王戦で湘北のシュートが全然決まらない時、三井寿がひとりでスリーポイントを決めてチームを引っ張っていた場面を挙げていましたね。

「あのシーンはハンパじゃないですね」

── それは、みんながうまくいっていない時にチームを引っ張れるような選手になりたいということですか?

「そうですね。みんな(の流れ)が回っていない時、自分がチームを引っ張っていけるような選手になりたいですね。去年もおととしも、STM(セントトーマスモア)ではそういう意識でやっていて、その結果ここまできたので。ここ(ノーザンイリノイ大)が自分の今までの人生のなかで一番大きなチャプターだと思うので、しっかりやっていきたいなって考えています」

── ほかにも『SLAM DUNK』で印象に残るシーンはありますか?

「赤木(剛憲)が(海南大附属戦で左足首を)ケガした時も、なかなか(心に)きましたね。自分もすぐどっかが痛んだりして、ケガが多いタイプの選手なので。

 ケガした赤木が『テーピングだ!』って叫んで、テーピングしてもらってすぐ試合に戻るシーンは、けっこう好きなんですよ。つえー、すげー、と思います。気合いが違うなって。自分も本当に歩けないぐらいのケガじゃないかぎり、『テーピング!』『コーチ、大丈夫です』って言って、すぐ行きます。

 なんか、日本感がありますよね。気合いで乗りきるって、アメリカ(のマインド)ではないじゃないですか。だから日本人ってすごいなと思います。日本のアニメって『鬼滅の刃』でも『NARUTO -ナルト-』でも、絶対に全部どこかに"気合い"が出てくるんですよ。

 やっぱり、その気合いってのがすごく大事なんだなと思いました。こっちではそういう文化がないから。コンディショニングも、アメリカでは試合のためという感じですけど、僕ら日本人からしたら気合いを鍛えるトレーニングじゃないですか。僕は高校時代、先生から厳しい言葉を浴びながら走っていたので、それがあったからこそ今は(つらい練習も)全然気にならないですし」

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