富樫勇樹28歳167cmと河村勇輝21歳172cm。バスケ日本代表「ふたりのユーキ」の正ポイントガード争い (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

ホーバスHCの決断はいかに?

 だが、しつこいようだが、それも「今は」という話にすぎない。ホーバスHCは河村について「練習よりも試合でよりスイッチが入る」選手で、かつ若いにもかかわらず「波が少ない」との称賛の言葉を並べている。ここからの河村の成長次第で、競争はより激化していくだろう。

 一方で、富樫も現在28歳と、脂の乗った年齢だ。2023年ワールドカップ、2024年パリオリンピックともに全盛の状態で挑戦することとなる。

「彼(河村)に限らず、代表のPGの枠を争っている選手はいっぱいいると思っているので、毎試合、毎練習がアピールの場になると思います。前回のオリンピックに出たからといって僕が上の立場にいるわけでも何でもないので、しっかり結果を出さなきゃいけないなという感じで、常にやっています」

 アジアカップ前の取材で、富樫はこう話している。

 取材などのオフコートでは淡々と話すことが多く、心の内の炎の大きさを測ることはなかなかできない。しかし、これまでのキャリアで「身長が小さいから無理だ」という声に抗いながらスター選手となり、今の地位を得た男が、河村ら若手の突き上げに燃えていないはずはないとも思う。

 昨秋、ホーバス氏が男子代表のHCとなってから、何人ものPGが試験の意味も込めて起用されてきた。しかし、来年のワールドカップ本戦など世界大会を迎えた時に小柄なPGをふたりも選ぶのか、といったところも含めて、周囲の注目はやはり富樫と河村に集まる。

 167cmのユーキと、172cmのユーキ。このふたりが、これからも日本の正PG争いを熱くする。

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