W杯でドリームチーム結成へ。渡邊雄太は日本代表に合流できるのか (5ページ目)

  • 大島和人●取材・文 text by Oshima Kazuto
  • 松岡健三郎●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo

 一方で、激しいシーズンの戦いを終えた選手には、休養も必要だ。NBA定着、本契約獲得を目指す渡邊が7月のサマーリーグ(5試合)に参加することも自然だ。日本代表への合流時期、期間について誰もが納得する正解はない。

 本人は代表参加への意欲を以前から口にしているが、強化日程に「いつから」「どれくらい」参加できるかは難しい調整になる。仮に本人と協会が長期間の参加を望んでも、所属チームとの綱引きになる可能性が高い。代理人(エージェント)も交えた調整が行なわれて、結論が出ることになるはずだ。

 東野技術委員長は3月25日から2週間程度の予定で渡米しているが、クラブや代理人とのコミュニケーションも目的のひとつだ。

 8月31日に開幕するW杯は、バスケファンが手に汗を握りながら行方を見守る大舞台になる。一方で渡邊のような重要な戦力をどれだけ代表に引き留められるか、所属クラブの活動といかにバランスを取るかという「コート外のバトル」も重要だ。9月の本番に向けた戦いはすでに始まっている。日本バスケは今、世界で戦える人材が誕生したからこその課題と向き合っている。

 渡邊は守備も含めた賢い、渋いプレーが持ち味。相手のレベルが上がればより持ち味が引き出される。たとえ数週間でもチームと合わせた状態で本大会に参加できれば、予選とはまた違う姿を見せてくれるだろう。

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