レブロンとレイカーズの誤算。不協和音が響きプレーオフ進出が絶望的

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Image

 現地時間3月18日、マディソン・スクウェア・ガーデン(MSG)でのニューヨーク・ニックス戦は、思い通りにならなかった今季のロサンゼルス・レイカーズを象徴するような内容、結果だったと言えるだろう。

 リーグ最悪勝率でイースタン・カンファレンス最下位のニックス相手に、残り3分44秒で11点のリードを奪い、もう"安全圏"かと思えた。しかし、そこから逆転を許すと、最後は再逆転を狙ったレブロン・ジェームズのシュートがブロックされて万事休す。"現役最強プレーヤー"の呼称をほしいままにしてきたレブロンが、ディフェンスが得意ではないマリオ・へゾニャに止められてしまうという予想外の結末になった。

「ゲームを締めくくることができなかった。僕も勝負所で十分なプレーができず、ショットを決めることができなかったんだ」

18日のニックス戦で天を仰ぐレブロン18日のニックス戦で天を仰ぐレブロン 試合後、MSGの通路で多くのメディアに取り囲まれたレブロンは、諦観(ていかん)すら感じさせる表情でそう述べた。

 レイカーズは続く20日の試合にも負け、直近10戦で9敗。個人としては過去8年連続でファイナルに進んできたレブロンだったが、ウェスタン・カンファレンス11位に沈むレイカーズはプレーオフ進出が絶望的な状況になっている。

 昨オフにレブロンが、再建中だったレイカーズと4年1億5400万ドル(約170億円)という大型契約を結んだ時点でも、優勝が狙えるチームになるまでには時間がかかると予想されていた。それでも、"選ばれし男"を擁するチームが、まさかプレーオフ進出を逃すことになるとは......。

 NBAで16年目を迎えたレブロンにとって、今季ここまでの勝率.437(31勝40敗)は、クリーブランド・キャバリアーズからドラフト指名された直後の1年目に残した.427(35勝47敗)以来最悪の数字。鳴り物入りで移籍して1年目の今季は「失敗」と評されても仕方がない。さまざまな意味で、2018-19シーズンはレブロンの輝かしいキャリアでも最悪のシーズンとして記憶されるはずだ。

「チームが波に乗りかけたところで、レブロンが故障離脱したのが何よりも痛かった。さらにトレード期限の噂話によって、チーム内に不協和音が漂ってしまった」

 MSGで顔を合わせたウェスタン・カンファレンス某チームのスカウトは、レイカーズとレブロンの苦戦の理由をそう分析していた。

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