2019.03.19

全米大学選手権はNBAドラフトの試金石。
八村塁の真価はここでわかる

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 現地時間3月17日、今年度のNCAAトーナメント(全米大学選手権)に出場する全68チームが発表され、八村塁が属するゴンザガ大学は西部地区の第1シードに選定された。ゴンザガの第1、2ラウンドはユタ州ソルトレイクシティで開催が決定。21日に迎える初戦(2回戦)の相手は、フェアリー・ディッキンソン大学vsプレイリービューA&M大学の勝者となる。

ゴンザガ大のエースとして活躍する八村 3月中はこのトーナメントで各地が大変な騒ぎになることから、大会の愛称は”マーチマッドネス(3月の狂気)”。 今年も、全米が大学バスケットボールに熱狂する季節が始まろうとしている。

 シード順が示す通り、ゴンザガ大が今大会の優勝候補と目されていることは間違いない。そのエースとなった3年生の八村は、今季平均20.6得点(FG成功率61.3%)、6.7リバウンドという好成績でチームを牽引。当然のようにウェストコースト・カンファレンス(WCC)の最優秀選手に選ばれただけでなく、ジョン・ウッデン賞(NCAAの年間MVP)の最終候補に入り、米誌『スポーティング・ニューズ』のベスト5にも選出されるなど、個人賞受賞ラッシュを経験してきた。今回のトーナメント中も屈指の注目選手になることだろう。

 ただ、ここに至るまでに、ゴンザガ大と八村は意外な挫折も経験してきた。12日にラスベガスで行なわれたWCCトーナメント決勝では、シーズン中の対戦では2勝0敗だったセントメリーズ大学に47-60でまさかの敗北。カンファレンスで16戦全勝という圧倒的な強さを見せ、臨んだトーナメントで優勝を逃し、シーズン中からの通算連勝記録も21でストップした。

「カンファレンスでは負けなしできてて、最後はやっぱり気合が入りすぎたというのもあります。冷静ではなかった。これが最後の負けになるようにという話をしたので、絶対に(今後に)つなげたいと思います」

 この日は34分間で9得点、5リバウンドと精彩を欠いた八村は、試合後に悔しさを押し殺しながらそう述べた。大事な時期に自慢のオフェンスがまったく機能せず、今季最少得点に終わったことのショックはあっただろう。相手の意図的なスローペースにきれいにハマってしまったことで、「ゴンザガ対策の”青写真”が示された」という見方もある。

 大舞台を前に久々の敗戦を味わったことは、ゴンザガ大と八村にどんな形で響いてくるのか。一部で評されているとおり、本当は第1シードには相応しいチームではなかったのか。カンファレンスゲームよりも大きくレベルが上がるNCAAトーナメントで、それらの問いへの答えを見出していかなければならない。