八村塁がNBAドラフト上位指名を手にするためにクリアすべき2つの課題 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke

インタビューに答えるレイカーズのウィリアムズ phpto by Sugiura Daisukeインタビューに答えるレイカーズのウィリアムズ phpto by Sugiura Daisuke「もっとも印象的な武器は『突破力』だね。接触プレーをものともしない。それだけじゃなく、コート上で複数のポジションをプレーできることも大きい。その多才さは、キャリアを長い目で見た際にも彼の助けになっていくはずだ」

 ウィリアムズの「多才」という評価を聞けば、八村が単なる"フィジカル・モンスター"ではないことがわかるはずだ。

 定評がある突破力だけでなく、オフェンスをクリエイトするのもうまくなった。チームを背負うプレーメーカーとして、平均アシスト数を昨季の0.6から今季1.6まで引き上げているのも見逃せない。インサイド&アウトゲームの向上ゆえに、得意のポストプレーもより生きている。これまでは持って生まれたツールばかりが喧伝されてきた感があるが、総合力が高まっていることは間違いない。

 一方、あくまでNBAを目指すと考えたときに、八村にとって今後の課題となるのはどんな部分なのか。これまでは、コート上での会話を問題なくこなすための英語力が挙げられることが多かったが、ウィリアムズはより具体的なプレーについて指摘していた。

「ポストプレーだけでなくロングシュートを安定させることかな。3ポイントシュートを含め、継続して高確率で決めていくこと。あとはPGをはじめとする自分より小柄な選手を、ハイピックでより上手にガードすることだね」

 選手のサイズにとらわれない"スモールボール"への傾倒が加速する現代のNBA。強靭なボディ、身体能力を兼備する八村は、機動力のあるビッグマンとしての起用を考慮されるに違いない。

 そんな構想に応えようと思えば、精度の高いロングシュートはやはり必須となる。昨シーズン、26本中5本しか決められなかった3ポイントシュートを、今季はすでに6/12の高確率で成功しているのはポジティブな材料だ。1年を通してロングシュートが安定すれば、ゴンザガ大の勝利につながるだけでなく、NBAスカウトの印象もよくなる。

 守備面では、自慢のバネを生かしたビッグプレーを随所に見せているが、まだ「ポジショニングに難がある」という声は少なくない。ビッグマンでもピック&ロール時にガードと対峙する守備力が必要なだけに、その面でも向上は求められるだろう。

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