レブロンなき「東の覇権」争い。セルティックスの独走を止めるのは? (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 ちなみにラプターズを追われたのは、デローザンだけではない。

 球団新記録となるレギュラーシーズン59勝を挙げたドウェイン・ケーシー・ヘッドコーチ(HC)だ。最優秀コーチ賞を受賞しながらも、球団社長に「難しい決断だったが、球団を前へ進ませるために必要なステップ」と判断され、まさかの解任を言い渡された。

 ただ、そんな優秀なケーシーを他チームも放っておくわけがない。昨年イースタン9位でプレーオフ進出まであと一歩だったデトロイト・ピストンズがケーシーを招き入れた。ブレイク・グリフィン(PF)、レジー・ジャクソン(PG)、アンドレ・ドラモンド(C)と選手の駒は揃っている。ここに名将ケーシーの采配が加われば、ピストンズがイースタンの台風の目となっても不思議ではない。

 その他にプレーオフを狙えそうなチームは、今季のMVPを狙えそうなヤニス・アデトクンボ(SF)擁するミルウォーキー・バックス、昨季のMIP(最成長選手賞)を受賞したビクター・オラディポ(SG)とオフに肉体改造に取り組んだマイルズ・ターナー(C)が牽引するインディアナ・ペイサーズ、ドワイト・ハワード(C)やオースティン・リバース(PG)など効果的な補強に成功したワシントン・ウィザーズなどだ。

 そして、イースタン必見のルーキーも紹介しておこう。

 アトランタ・ホークスのトレイ・ヤング(PG)は188cmで細身ながら、広いシュートレンジと抜群のシュート力を武器に「ステファン・カリー2世」とも呼ばれる20歳。昨季のNCAA得点王(平均27.4得点)にも輝いた逸材だ。

 周囲の期待は高かったものの、今夏のサマーリーグでは好不調の波が激しく、「期待外れなのでは?」との声が聞こえてきた。しかしプレシーズンマッチでは調子を上げ、ルーキー3位となる平均15.0得点を記録している。

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