レブロンなき「東の覇権」争い。セルティックスの独走を止めるのは? (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 76ersは昨季、チームを牽引するジョエル・エンビード(C)がリーグ屈指のビッグマンとなった。さらに昨年のドラフト1位入団ながら、肩のケガのために不本意なシーズンに終わったマーケル・フルツ(PG)も故障を完治させ、万全の態勢で新シーズンに臨む。

 昨季の新人王ベン・シモンズ(PG)はオールラウンダーという評価を受けながら、唯一の弱点がスリーポイント(3P)シュートだった。昨季のシモンズはレギュラーシーズン81試合の出場で、3Pを打ったのは11本だけ。しかも、1本も決めていない。その反省を踏まえ、オフにジャンプシュートを重点的に練習したシモンズは、「今季は3Pを積極的に打っていく」と宣言している。

「今まではジャンプシュートが必要なかった。練習したことがないのだから、苦手なのは当然」

 つまり、ドライブからダンクやレイアップで得点できるので、ジャンパーは不要だったというわけだ。そんなシモンズのシュートレンジが広がれば、76ersの未来はさらに大きく開けるだろう。

 昨季レギュラーシーズンで59勝23敗の成績を残し、イースタンの第1シードを奪取したラプターズ。しかし、カンファレンス・セミファイナルでキャブスにスウィープ(4連敗)を喫してしまった。チームはさらなる高みを目指すため、エースのデマー・デローザン(SG)を放出するという大鉈を振るっている。

 そのデローザンとのトレードでサンアントニオ・スパーズから獲得したのが、カワイ・レナード(SF)とダニー・グリーン(SG)だ。右大腿四頭筋のケガで昨シーズンの大半を欠場したレナードが本調子を取り戻せば、デローザン以上の活躍は十分に見込める。

 ただし、レナードは来夏にFAとなり、レイカーズへの移籍を希望していると囁かれている。ラプターズにとっては、高い戦力を誇る今季が勝負の年となるだろう。是が非でも好成績を残し、レナードを留意させる材料にしたい。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る