日本バスケを五輪へ。馬場雄大は
少年ジャンプの主人公のように頷いた (2ページ目)
肩肘は張らない、どこまでも自然体。だからこそ大物感は漂う。オールスターゲームのダンクコンテスト出場も叶わなかったものの、「アイデアは用意していたんです」と、馬場は屈託なく笑った。
「富樫を飛び越えてダンクをしようと思ってました」
日本代表だった父を持ち、物心ついたころには、父が姉をコーチしているチームの体育館で遊んでいた。
「そのとき、バスケットボールを触った感覚、今も覚えてます。シュートを入れる感覚が気持ちよかった。途中で他の競技をすることも考えたんですけど、行き着くところはバスケでした」
小学1年で競技をスタートし、初めてダンクできたのは中学3年だった。父と個別練習し、最後に10本ダンクを決めて練習を終わるのが恒例となった。
馬場のダンクが他の日本人ダンカーのそれと一線を画する理由を、本人が教えてくれた。
「掌(てのひら)があまり大きくないんで、手首に巻き込むように掴んでダンクにいくんです。感覚としてはリングに投げ込むような感じ」
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