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29分でなんと60得点。
クレイ・トンプソンが示した「No.1の証」 (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

「間違いなく、過小評価されていると思う。100%そうだ。自分に能力があることはわかっている。ボールハンドリングやピック&ロールを使ってのプレーも、周囲からの評価よりずっとうまくできる」

 これは、「シュートがうまいだけの選手だ」と言われたり、「カリーらチームメイトの恩恵を受けているだけ」と言われることに対する反論でもある。卓越したシュート力を持っているのは事実だが、それだけではNBAで生き延び、活躍することはできない。

 90秒間ボールを持っただけで60得点を決めることができるのも、別に楽をしているからではなく、ボールをもらう前に、シュートを打つために必要な仕事の大半をしているからだ。自分のスタイルや得意なことを理解し、それを最大限に発揮できることに喜びを感じている。それができるのはチームメイトのおかげだということも十分に理解したうえで、自分もチームの成功に大きく貢献している自負もある。

 トンプソンの競争心を育(はぐく)んだのは、間違いなく家族だ。父・マイカルは1978年のNBAドラフト1位指名選手。NBAで14シーズン活躍し、"ショータイム・レイカーズ"の一員として2度の優勝も果たしている。父だけでなく、2歳年上の兄・マイケル(Dリーグのサンタクルーズ・ウォリアーズ所属/)、1歳年下の弟・トレイス(MLBロサンゼルス・ドジャースの外野手)も運動能力に長けている。子どものころから、常に父子・兄弟で競い合って育ってきた。

※Dリーグ=NBAデベロップメントリーグ。将来のNBA選手を育成する目的で作られたNBA後援のリーグの通称。

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