【国内バスケ】折茂武彦がBリーグを語る。「失敗すれば未来はない」

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • TOBI●撮影 photo by TOBI

レバンガ北海道・折茂武彦インタビュー@最終章

 インタビュー後の雑談で、「東京五輪、日本代表のユニフォームを着ている可能性は?」と聞くと、折茂武彦(おりも・たけひこ)は破顔した。

「ないと思います。そこは期待しないでください。だって、4年後は50歳ですから(笑)。もちろん、若い世代にうまく引き継いでほしいなって思いもありますし。そこがうまくできなかったのが、日本バスケ界の現状だと思います」

折茂武彦インタビュー「第1章」、「第2章」、「第3章」はこちら>>>

日本バスケの未来について募る想いを語る折茂武彦日本バスケの未来について募る想いを語る折茂武彦 では、「現役と引退」、その境界にはあるものは何なのか――。

「何なんでしょうね? わかんないですね、正直。ただ、思うことはあって......。僕はずっと、若い選手と同じメニューのトレーニングをこなしているんです。シーズン前に心肺機能を高めるために、長い距離を走ったりもするんですが、若手と同じ距離を走る。

 途中、苦しくて歩きそうになるんです。そんなとき、『ここで歩いたら、引退だな』って思って走り続けるんです。苦しさに負けて歩くようなら、辞めるべきだって。だから、死んでも歩かない。意地でも完走します。今のところ、歩いたことは一度もないですね」

 折茂が走ることをやめる日は、永遠に来ないのではないかと思えてならない。

「毎シーズン後、バスケから離れて、『今季はどうだった?』『来季のモチベーションは?』って自問自答して、現役を続行するかどうか結論を出すんです。正直、迷った年もある。去年なんかは、けっこう悩んだんです。

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