【NBA】大ブレイクから3年。J・リンが見つけた真の居場所 (3ページ目)
しかし、リンサニティで一気に注目された後の道のりは、それまで以上に険しかった。努力しても、必ずしもすぐに結果が出るわけではない。それどころか、試合に出られない日があると、リンサニティ前の振り出しに戻ったような気分になって落ち込んだという。
レイカーズでの1シーズンは、ヘッドコーチのバイロン・スコットが求めるスタイルと、自分が得意とするスタイルの衝突でもあった。リンはピック&ロールから中に攻め込むことが得意な選手。スコットはパスをつなぎ、ボールを持たない選手の動きからオープンな選手を作り出すスタイル。ニックスでのリンサニティ時代のような自由は、リンには与えられなかった。
それでも、まじめで、意外と野心家の彼は、スコットのコーチングを批判したり、自分には合わないチームだから移籍したいというようなフラストレーションの発散の仕方はしなかった。
「正直言って、ひとつのスタイルだけで認められるような選手にはなりたくない」と、リンはESPNのインタビューで言っていた。
「僕の目標は、自分のプレーを進化させることで、どんなシステムにも対応できるようになることだ。グレート・プレーヤーなら、そういった方法を見つけ出せるはずだと思っている」
もっとも、そうやって前向きに強がることで、苦しい状況を乗り切ろうとしていたのかもしれないが……。
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