日本人初のWNBA選手・萩原美樹子が語る「日本バスケの未来」 (2ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro  利根川幸秀●撮影 photo by Tonegawa Yukihide

――ここぞという試合で、弱者がその勝てる1試合を持ってくるために必要なことはなんでしょうか。

萩原 あきらめずにタフに戦えるかが大事ですね。「タフ」というのが、キーワードのひとつになるのかなと思います。いくらシュート力がある選手がいても、ディフェンスで粘れなかったり、リバウンドをあきらめて毎回飛び込めない選手では、国際試合は戦えない。実際、今回のユニバーシアードでも圧倒的なサイズ不足を補うために、インサイドにボールを入れられたら、日本の選手は2人、3人で囲まなければ守れませんでした。

 そうすると、相手オフェンスはアウトサイドにボールをさばきます。すると、こちらもノーマークで打たせるわけにはいかないので、インサイドをカバーしていたディフェンスは追いかけなければいけない。それを何度も何度も繰り返す、精神的なタフさが必要です。言葉にすると簡単ですが、1試合通してやることはなかなか難しいことです。

――他にも国際大会で貢献できる選手に特徴はありますか?

萩原 性格的にどんな状況でも、ネガティブにならないことも大事な才能だと思います。ゲームの出場時間、割り当てられた役割によって、ネガティブになってしまう選手がいます。そのひとりのネガティブに、チーム全体が引きずられてしまうことがある。どういう状況でもポジティブで、チームに好影響を与えられる選手であるということは、国際大会にかかわらず大事なことだと思います。

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