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【NBA】ステファン・カリーが欲しかった「もうひとつのトロフィー」 (4ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Gatty Images

 もちろん、カリーが止めようと思って止められる選手でないことは、キャブスも承知していた。よって、デラベドバはファウルぎりぎりまで密着し、カリーにシュートを打たせないことを最優先。味方選手もスクリーンプレーの際にノーマークの選手が生まれるリスクを冒してでも、カリーに対してダブルチームを敢行した。その結果、カリーは23本のシュートを放ちながら、成功したのはわずか5本。19得点に抑えられてしまう。

 キャブスの術中にハマったカリーだったが、それでも試合後には胸を張った。

「たった1試合の結果だけで、僕はシュートを打つことを止めない。自信がなくなることもない」

 そして第3戦は、またしてもキャブスが押し切って2連勝。レブロンは40得点・12リバウンド・8アシストと、ほぼトリプルダブルの活躍だった。復調したカリーも27得点を挙げるが、エンジンがかかるのが遅く、勝敗を左右する場面で活躍できない。

 物語の主人公が、カリーからレブロンに変わろうとしていた。

 だが、第4戦――。ウォリアーズにシリーズの流れを変える救世主が現れる。それは、思わぬ伏兵のアンドレ・イグダーラ(SF)だった。スティーブ・カー・ヘッドコーチ(HC)は、レギュラーシーズンでもプレーオフでも、1度たりともスターターを務めたことのないイグダーラを先発に大抜擢。この采配が当たり、イグダーラは22得点とオフェンス面で貢献したのみならず、守備でもレブロンを20得点に抑える活躍を見せた。ウォリアーズは躍動感を取り戻し、103対82で2勝2敗のタイに戻す。

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