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【NBA】世代交代の波、到来? 次世代を担うプレイヤーたち (2ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Getty Images

 NBA.comのデータによると、リラードがキャリア計16回のオーバータイムで記録したシュート成功率は、フィールドゴール成功率=68.2%、3ポイントシュート成功率=57.1%。ともにハイアベレージを残している。スター選手に必要な勝負強さを持ち、劇的なシーンを演出するのがリラードという男だ。残り5秒で3点のビハインドがあるなら、チームメイトは迷うことなく彼にショットを託すべきだろう。

 また、4年目・24歳のクレイ・トンプソン(ゴールデンステート・ウォリアーズ/SG)も成長著しい。オフにケビン・ラブ(現キャブス/PF)とのトレード話が持ち上がったものの、ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が猛反対して残留が決定。そして開幕直後、4年7000万ドル(約84億円)の大型契約をチームと結んだ。

 この契約がチームにとって得だったのか、損だったのか、当初はマスコミの間でも賛否あった。しかし、シーズンが開幕すると、間違いなく賢い選択だったことが証明される。現在、トンプソンはキャリア初の20点オーバーとなる平均21.7得点をマーク。第1週と第11週のウェスタン週間最優秀選手にも選出された。3ポイントシュート成功率はデビューイヤーから毎年4割を越え、今季の成功率はキャリアハイとなる44.6%でリーグ5位。さらに、今季はドライブも冴え渡っている。もはや、外からのシュートに強い選手だけではない。オールスターPGのステファン・カリーとともに、リーグ最高勝率(.846)を誇るウォリアーズを牽引している。

 そして今季、最も飛躍した選手を挙げるなら、間違いなく4年目の25歳、ジミー・バトラー(シカゴ・ブルズ/SG)の名前を出すべきだろう。昨季のオールディフェンシブ2ndチームに選出されたエースキラーが、突然、覚醒した。昨季平均13.1得点から、一気に7点以上を上乗せして平均20.6得点を記録しているのである。この数字は、チームメイトのデリック・ローズ(PG/平均18.0得点)、パウ・ガソル(PF/平均18.7得点)を凌ぐもの。ブルズのスコアリングリーダーとなっているのだ。さらにバトラーは、平均リバウンド(6.0)と平均アシスト(3.3)でも、キャリア最高を維持している。

 もちろん、エースキラーぶりも健在だ。1月5日のロケッツ戦では、現在平均得点リーグ1位のジェームス・ハーデン(SG/平均27.1得点)を、勝負どころの第4クォーターで、フリースロー2本のみの2得点に抑え込む鉄壁の守備を見せた。今季のバトラーは、MIP(最優秀躍進選手賞)の有力候補のみならず、MVP候補にも名を連ねるのでは......と騒がれ始めている。

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