【NBA】引退間近!? コービー・ブライアントの寂しすぎる最近の言動
最近、コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)の試合後のロッカールーム取材が興味深い。その一方で、寂しさを感じることもある。
プロ19年目のシーズンを迎えた現在36歳のコービー・ブライアント ゲームで消耗した両足を氷水のバケツの中につけて、アイシングする間にコービーが話すトピックは、その試合やチームのことにとどまらず、自身のバスケットボールに対する姿勢や、昔のように身体が回復しない中での苦悩、さらにはリーグやバスケットボール界全体に対する考え方など多岐にわたる。
基本的には記者からの質問に答える形で話すのだが、試合に直接関係ない話でも熱を入れて語ることが多い。以前は、負け試合後の無関係な質問にはひと言で答えることが多かったが、今では負けた後でも(今季は3試合に2回は負けているのだ)、気分のムラを感じることは少ない。足を氷水につけるころには、すでに気持ちを切り替えているかのようだ。
たとえば、1月2日のメンフィス・グリズリーズとの対戦後、3点差という悔しい敗戦だったにもかかわらず、コービーは対戦相手のマルク・ガソルや、マルクの兄で元レイカーズのパウ・ガソル(現シカゴ・ブルズ)の称賛に始まり、さらにヨーロッパとアメリカの育成方法について比較論を繰り広げた。ガソル兄弟のようなスキルを持ったビッグマンがアメリカから出てこない理由について、コービーは即答で、「AAUバスケットボールのせいだ」と切り捨てた。「AAU」というのは、高校生までの子どもたちが夏の間に入るクラブチームのこと。練習することよりも、全米規模のシューズ会社主催大会に参加することを主目的とするチームが多く、また、その大会が大学の主なリクルートの場にもなっている。
「AAUバスケットボールでは、子どもたちにバスケットボールの基礎をまったく教えていない。その結果、派手な動きばかりをやって、ポストアップの仕方も知らないビッグマンが育つわけだ。バスケットボールの基礎を知らないからだ」
コービー自身は、父親のジョー・ブライアントがイタリアのプロリーグでプレイしていた影響によって、イタリア育ち。当時のヨーロッパでは、アメリカの名将たちが頻繁にクリニックやキャンプを開催し、ヨーロッパのコーチに基礎を教え込んでいた。そういったヨーロッパのコーチからバスケットボールを教わったことが、基礎スキルを習得できた理由だとコービーは言う。
「ヨーロッパのクラブコーチたちは、アメリカのコーチのアドバイスに従い、彼らから学んだ基礎を聖書のように大事にして、子どもたちに教えていたんだ」
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