【NBA】伝説の名将が社長就任。古豪ニックスは大きく生まれ変わる? (2ページ目)
ニックス復活のカギはどこにあるのか、佐古氏に戦力を分析してもらった 3ポイントシュートでゲームを構築していく戦法は、非常にリスクが伴います。成功率40%以上なら勝てるが、30%前後だと負ける......。そんなギャンブルバスケットを続けると、4連勝した直後に5連敗、その後に3連勝しても7連敗と、勝敗が非常に荒れてくるのです。3ポイントで得点を稼ぐことも大事ですが、絶対的エースであるカーメロに安定してボールを集めないと、高い勝率をキープするのは難しいでしょう。カーメロをどのタイミングで、どのように動いてもらうのか、チャンドラーやアーマレら主力を欠いたときの意思疎通がチーム内で統一できていなかった印象です。ただ、ニックスを率いるマイク・ウッドソンHC(ヘッドコーチ)も辛い立場だったと思います。カーメロひとりに負担はかけられないだろうし、何よりニックスの支えとなっていたインサイドが弱くなってしまったのですから。
しかし、チャンドラーやアーマレがコートに戻ってきてからは、昨シーズンのような強さを取り戻しつつあります。最近は8連勝と好調をキープし、3月19日にはイースタン・カンファレンスで首位を走るインディアナ・ペイサーズをホームで撃破しました。なにより、このペイサーズ戦には、社長に就任したばかりのフィル・ジャクソンが初めて試合観戦に訪れたのです。彼の登場で、ニックスの本拠地マディソン・スクエア・ガーデンの雰囲気はガラッと変わりましたね。
フィル・ジャクソンの社長就任によって、特にチームリーダーであるカーメロの顔つきが変わったように感じました。その結果、ペイサーズ戦でのカーメロは34得点の大活躍。また、調子の上がらなかったアーマレも21得点を奪い、さらにチャンドラーも14リバウンドをマークしたのです。久しぶりに「ニックス版ビッグ3」が揃って大爆発しました。
「ビッグ3」が噛み合ったときのニックスとは、どのチームも対戦したくないでしょうね。それほど、ペイサーズ戦では強烈な破壊力を披露してくれました。特に良かったのは、カーメロとアーマレの関係性です。プレイスタイルが重なるため、昨シーズンの両者はコート上で場所の取り合いをしていました。しかし今シーズンは、アーマレをコーナーポジションに置くことで、カーメロがプレイしたいエリアを広げています。逆にアーマレをポストに入れるときは、逆サイドのコーナーにカーメロを配置するなど、ウッドソンHCは両者の動きをうまく整理したようですね。
2 / 3