【NBA】今オフFA、現在35歳。ダーク・ノビツキーの決断は?
子どものころに好きだった選手と、同じような選手になるとは限らない。自分にないものを持っているからこそ、憧れるということもよくあることだ。
たとえば、ダラス・マーベリックスのダーク・ノビツキー。子どものころは、ドミニク・ウィルキンス(※)の大ファンだったらしい。
※ドミニク・ウィルキンス=1980年代から1990年代にかけてアトランタ・ホークスなどで活躍したフォワード。NBA史上屈指のスラムダンカーとして名を馳せた。
得意の「ワンレッグ・フェイドアウェイ」でリングを狙うダーク・ノビツキー「彼のダンクコンテストは全部見ていた。得点する方法をたくさん持っている選手だった。自分がシュートを外したボールを再び自分で取って、ふたりの相手選手の頭上から得点を決めることもあった。見ていて本当に楽しかった」と、ノビツキーはウィルキンスの思い出を振り返る。
4月4日、ノビツキーはNBA通算得点数でウィルキンスの2万6668点を抜き、歴代11位に浮上した。ウィルキンスのように、複数の選手の上からダンクを叩きつけることは滅多になかったが、彼なりの持ち味を生かして、ひとつのスタイル、ひとつの時代を築いた。
「僕も時々はゴールより高いところでプレイしていた......と思いたいけれど、特にこの2年ぐらいはゴールよりずっと低いところでプレイしているね」と、ノビツキー自身もウィルキンスとあまり共通点がないことを笑う。
ただ、派手で豪快なダンクはないものの、ノビツキーのトレードマークである「ワンレッグ・フェイドアウェイ(※)」は、今のNBAで最も止めるのが難しいシュートのひとつとして評価されている。これまで3度の得点王に輝いたオクラホマシティ・サンダーのケビン・デュラントは、「ノビツキーは子どものころから僕の大好きな選手のひとり」と絶賛し、ワンレッグ・フェイドアウェイをずっと練習していたと語っている。また、デュラントだけでなく、レブロン・ジェームズ(マイアミ・ヒート)やコービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)などのトッププレイヤーたちも、ノビツキーの影響を受けてワンレッグ・フェイドアウェイを試合中に使うようになった。
※ワンレッグ・フェイドアウェイ=片足で後方にジャンプしながらボールを放つシュートテクニック。
1 / 3