【NBA】今オフFA、現在35歳。ダーク・ノビツキーの決断は? (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko photo by Getty Images

「彼らがあのシュートを打とうとしていることは、とても光栄なことだ」と、ノビツキーは彼らしい謙虚な姿勢で嬉しさを表現した。

 現在35歳のノビツキーは、今シーズンでマーベリックスとの契約が切れてフリーエージェントになる。引退前にもう一度優勝する可能性が高いチームへ移籍するのか、それともマーベリックスと再契約するのか――。周囲が気を揉む中、今年1月、本人がマーベリックス残留を公言した。

「夏にフリーエージェントになるけれど、2年か3年、契約を延長してマーベリックスに残ることになると思う。その契約が終わるころには、38歳か39歳になっているから、たぶんそこで辞めることになるだろうね」

 マーベリックスのオーナー、マーク・キューバンとは、「オーナー」と「選手」という枠を超えた、「親友」のような関係だ。キューバンも以前からノビツキーに、「君はずっと、チームのフランチャイズプレイヤーだ」と言い続けている。そんな関係だからこそ、交渉や駆け引きは必要ない。

 今年2月のオールスター・ウィークエンド中、「残された現役生活で優勝することと、マーベリックスに残ること、どちらかを選ぶとしたら?」と聞かれたノビツキーは、躊躇(ちゅうちょ)せずにマーベリックスに残ることを選んだ。

「もちろん、一番いいのは、両方できることだ」と言った後で、「今の自分には、他のユニフォームを着ることが想像できない。他の街に住むことも想像できないんだ」と断言した。

 2011年にNBAで優勝を経験したからこそできる、贅沢な選択でもあるだろう。ノビツキー自身も、「あの時に優勝していなければ、この夏の選択もまた違ったかもしれない」と認めている。

 また、別の時には、こうも言っていた。

「2010年に一度フリーエージェントになったけれど、あの時も嫌だった。先の分からない状態が嫌だったんだ。他のチームにも興味はなかったから、話を聞くのも乗り気ではなかった。僕の心はここ(マーベリックス)にあった。16年間、ダラスにいて、家族も友人もいる。ここで引退したい」

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