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【NBA】伝説の名将が社長就任。古豪ニックスは大きく生まれ変わる?

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi 是枝右恭●写真 photo by Koreeda Ukyo, Getty Images

 レギュラーシーズン終盤となった3月18日、ニューヨーク・ニックスの球団社長にフィル・ジャクソンが就任した。フィル・ジャクソンといえば、1990年代にシカゴ・ブルズの監督として2度のスリーピート(3連覇/1991年~1993年、1996年~1998年)を達成した後、1999年よりヘッドコーチを務めたロサンゼルス・レイカーズで3連覇(2000年~2002年)、2連覇(2009年~2010年)を成し遂げた人物。計11度の優勝を誇る、まさに「伝説の名将」だ。現役時代もニックスで2度の優勝を経験しているNBA界の巨匠が、今度は社長として古巣に帰ってきた。1973年以来、長らく優勝から遠ざかっている古豪ニックスの「救世主」となるのか。「ミスター・バスケットボール」こと佐古賢一氏に、ニックスの現状と今後について話を聞いた。

現役時代にプレイしていた古巣ニックスに球団社長として帰ってきたフィル・ジャクソン現役時代にプレイしていた古巣ニックスに球団社長として帰ってきたフィル・ジャクソン 昨シーズン、ニューヨーク・ニックスは久しぶりに大きく飛躍しました。レギュラーシーズン54勝28敗で19年ぶりの地区優勝を果たし、イースタン・カンファレンス2位でプレイオフに進出。さらにカンファレンス準決勝まで駒を進め、ニックスファンを大いに喜ばせてくれました。躍進の原動力となったのは、自身初となるNBA得点王に輝いたスモールフォワードのカーメロ・アンソニーです。カーメロが得点を奪いまくり、センターのタイソン・チャンドラーがインサイドを制圧。また、シックスマンのJ.R.スミスがしっかりと仕事をこなすなど、攻守に渡ってバランスの良いバスケットを披露していました。

 しかし今シーズン、残り10試合を残して30勝42敗(3月27日現在)。イースタン・カンファレンスで9位に沈み、プレイオフ進出は厳しい状況にあります。なぜ、こんなにも下位に低迷してしまったのか――。原因のひとつは、シーズン前半戦にチャンドラーやアーマレ・スタウダマイアーなどの主力選手をケガで欠いたことでしょう。インサイドに強いセンターのチャンドラーとパワーフォワードのアーマレを失ったことで、ニックスはアウトサイドからの攻撃が多くなってしまいました。その結果、ニックスは3ポイントシュートばかりを狙う「3ポイントチーム」になってしまったのです。昨シーズンとまったく違うスタイルになったことが、競った試合で勝ち切れなかった要因ではないでしょうか。

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著者プロフィール

  • 佐古賢一

    佐古賢一 (さこ・けんいち)

    1970年7月17日生まれ、神奈川県出身。179cm/ポイントガード。北陸高→中央大→いすゞ自動車→アイシン精機。日本を代表する司令塔として活躍し、『ミスターバスケットボール』と呼ばれる。的確な判断力と要所の得点力で、JBLリーグ優勝9回、全日本選手権優勝12回を果たす。2011年に現役引退。
    WOWOW(http://www.wowow.co.jp/sports/nba/)でNBA解説など活躍の場を広げている。現在はJBA理事ナショナル男子を担当。近況はコチラ

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