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ラグビー日本代表候補の早稲田大「サトケン」涙の終幕 リーグワンで帝京大ライバル青木恵斗にリベンジを誓う

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

 赤黒ジャージーをまとった「サトケン」の4年間の挑戦が終わった──。

 1月13日、今年で61回目となる全国大学ラグビー選手権大会の決勝戦が開催された。東京・秩父宮ラグビー場で激突したのは、17度目の優勝を目指す関東対抗戦・全勝優勝の早稲田大と、2度目の4連覇を狙う関東対抗戦2位の帝京大。チケットは完売し、19,035人のラグビーファンがスタジアムを埋めた。

大粒の涙を流す早稲田大キャプテン佐藤健次 photo by Saito Kenji大粒の涙を流す早稲田大キャプテン佐藤健次 photo by Saito Kenjiこの記事に関連する写真を見る 春は帝京大が60-7で大勝し、夏と秋の対抗戦は早稲田大が巻き返したため、戦前の予想は五分。しかしフタを開けてみれば、前半こそ2点差という拮抗した内容で折り返したものの、後半は帝京大がFWの接点の強さでゲームを支配し、最後は33-15という大差で幕を閉じた。

 早稲田大の107代目キャプテンとしてチームを牽引し、昨夏は日本代表にも選出された「サトケン」ことHO佐藤健次(4年)はノーサイド後、人目をはばからずに大粒の涙を流した。

※ポジションの略称=HO(フッカー)、PR(プロップ)、LO(ロック)、FL(フランカー)、No.8(ナンバーエイト)、SH(スクラムハーフ)、SO(スタンドオフ)、CTB(センター)、WTB(ウイング)、FB(フルバック)

「ふがいないキャプテンだったかもしれないですけど、早稲田大学ラグビー部で主将をやれて、幸せな1年間でした。最後に自分たちが持っているものを全部出して、全員で優勝という結果をつかみたかったですが、やっぱり帝京大さんのほうが強かったです」

 記者会見の席で、佐藤は嗚咽しながら声をしぼり出した。

 昨季の大学選手権では準々決勝で京都産業大に28-65で大敗し、年内でシーズンを終えるという屈辱を味わった。新チームとなった今季はどの大学よりも早く昨年1月9日に始動し、決勝の日は本気で日本一を目指した371日目だった。

 帝京大に大敗した昨春は、主力メンバーが揃わずに苦しんだ。だが、夏からスクラムとディフェンスが調子を上げ、9月以降は関東対抗戦で全勝優勝し、決勝戦まで一気に駆け上がった。

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著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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