ラグビー日本代表候補の早稲田大「サトケン」涙の終幕 リーグワンで帝京大ライバル青木恵斗にリベンジを誓う (2ページ目)
【誤算だったスクラムでの劣勢】
5大会ぶりの優勝を目指した佐藤は、決勝に向けて強い気持ちで臨んでいた。
「高校時代(桐蔭学園)は3年連続(花園)決勝の舞台に立ちましたが、大学では2年と4年しか立てなくて......。(ファーストジャージーの)アカクロを着られるのも最後なので、早稲田大に恩返ししたい。1年生の時から大田尾(竜彦)監督に成長させてもらったので、最後に胴上げしたい!」
決勝のテーマは「Beat Up」。相手をボコボコに倒す、という意味を込めた。「2年前の大学選手権決勝で帝京大に負けた(20-73)借りを返したい」(佐藤)。
前半はファーストスクラムで相手に反則を与えてしまい、主導権を握られて2トライを献上。早稲田大もラインアウトを起点に持ち前のアタックで2トライを返し、後半最初にはPG(ペナルティゴール)を決めて逆転に成功した。
しかし、今シーズン強化してきたスクラムで劣勢となり、徐々にプレッシャーを受けるようになる。さらにはSO服部亮太(1年)を中心とした自慢の高速アタックも帝京大ディフェンスに阻まれ、後半は失トライを重ねていった。
「帝京大さんのディフェンスがよかった。後半は風上でエリアを取っていきたかったが、接点で受けてしまい、敵陣22メートル内に入ってスコアできなかったのが敗因です」(佐藤)
早稲田大にとって一番の誤算は、やはりスクラムだったと言えよう。夏〜秋と優位だったスクラムでペナルティを繰り返してしまい、先手を取ることもペースをつかむこともできなかった。
対して帝京大は、スクラムの強い控えPR・HOを先発させて、対抗戦ではNo.8だった体重120kgのカイサ・ダウナカマカマをLOに起用。4番のジャージーを背負いながら5番の位置で起用するなど、早稲田大のスクラム対策をしっかりと施してきた。
「ファーストスクラムでアングル(斜めに押してしまう反則)を取られ、パニックを起こしてしまった。最初のスクラムで逆にペナルティを取っていたら、自分たちの試合になったかなと思います。僕の責任なのかな。本当に申し訳ない」(佐藤)
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