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ラグビー日本代表候補の早稲田大「サトケン」涙の終幕 リーグワンで帝京大ライバル青木恵斗にリベンジを誓う (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【卒業後はリーグワン埼玉でプレー】

 大田尾監督は、4年間指導した佐藤の成長した姿を見て、こう語る。

「京都産業大学に昨季大敗し、そこから日本一を本当に目指せるのかと、半信半疑のスタートだったところも少なからずあった。しかし佐藤が、まずは自分たちがもっとやらないといけないと、1年間継続して体で示してくれた。

 持ち前の明るさで、日本一を目指せるところまで連れてきてくれたのは、仲間に対して本気で向き合う健次のキャプテンシーのおかげ。本当に、歴代でもすばらしいキャプテンだった」

 優勝できなかった大学での4年間を、佐藤はこう振り返る。

「負けっぱなしの大学ラグビーでしたが、大田尾監督のもとでラグビーができて僕は幸せでした。多くの先輩、同期、後輩とラグビーができて、すごく有意義な4年間でした。チームのみんなに頼りっぱなしでしたけど、同期や主務に支えてもらって感謝しています。でも、やっぱり結果が出なかったので、トータルして見れば悔しい大学4年間だったかな」

 帝京大のキャプテンFL青木恵斗(4年)は、ともに花園連覇を成し遂げた桐蔭学園の同期。注目のキャプテン対決は、青木に軍配が上がった。

「恵斗には『優勝おめでとう』と伝えました。恵斗がいなかったら、僕はここまでのプレーができていないです。ふたりで切磋琢磨したからこそ、大学で互いに主将として決勝の舞台でやれた。リーグワンでやり返そうかなと思います!」(佐藤)

 そして最後はサトケンらしく、トレードマークである大きな笑顔を見せた。

「大学ラグビーで得たことを、今日の敗戦の悔しさを一生忘れず、今後のラグビー人生でがんばっていきたい。2027年は(ワールドカップ日本代表として)スタメンで出ます!」

 将来の日本代表を担う「サトケン」佐藤健次は休む間もなく、大学ラグビーで優勝できなかった悔しさを胸に、埼玉パナソニックワイルドナイツで新たな挑戦を始める。

著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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