【NBA】ベテラン揃いのスパーズ。世代交代は大丈夫か? (2ページ目)
佐古氏はスパーズがどうすればヒートに勝てるのかを分析 しかしながら、以前のスパーズと違う点は、若手選手が大きな戦力として育っているところでしょう。特に注目したいのは、昨年頭角を現した22歳のクワイ・レナードです。衰えの目立つジノビリに代わり、シューティングガードからパワーフォワードまで、幅広いポジションで活躍しつつあります。もともとディフェンスに長(た)けた選手でしたが、今シーズンは大事な場面で3ポイントシュートを決めるシーンが増えました。
レナードの最大の魅力は、コート上での自分の立ち位置をしっかりと理解しているところです。身体能力は高いのですが、それにおごることなく、ビッグ3がメインで攻めているときには決して邪魔をしません。そして、ここぞというシーンまでボールが来るのを待って、結果を残しているのです。ディフェンスでは相手のエースを抑える役割をまっとうし、オフェンスでは貴重なオプションとしてシュートを狙う――。こんな選手がいると、チームの戦術はグッと広がります。ポポヴィッチHCからの信頼も高いので、サンアントニオという街が育てた人気プレイヤーとして、今後さらに飛躍するのではないでしょうか。
また、NBA5年目となるポイントガードのパトリック・ミルズも、最近は思い切りの良いプレイが目立つようになってきました。スピードがあり、シュート力も高いのですが、今まで派手なプレイを見せることは多くありませんでした。それが今シーズンは大事なシーンで3ポイントを決めるなど、ビックリするようなプレイを次々と披露しています。シカゴ・ブルズのデリック・ローズや、オクラホマシティ・サンダーのラッセル・ウェストブルックなど、同い年(25歳)のポイントガードが活躍しているので、それに負けじと自分を奮い立たせているのではないでしょうか。常勝軍団スパーズのポイントガードとして、自分もスポットを浴びようとする姿勢は決して悪いことではないと思います。
3月6日にスパーズのホームで行なわれたヒート戦は、「仮想ファイナル」として全米中が注目しました。結果は111-87でスパーズの大勝。ただ、1月26日に行なわれたヒートとのアウェー戦では負けているので、今シーズンの直接対決は1勝1敗の五分です。スパーズが大勝したゲームを見て思いましたが、ヒートに勝つためには「相手に走らせないこと」ですね。相手のリズムになるのを押さえ込み、じっくりと攻めることで勝機が見出せると感じました。昨年のファイナルは、ヒートのリズムに飲み込まれて負けてしまったという印象があります。いかにヒートを爆発させずに、相手の嫌がるプレイを徹底できるかがカギとなるでしょう。
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