【NBA】同性愛者ジェイソン・コリンズが伝えたいメッセージ
「I'm ready. Let's do it.(準備はできている。やろうじゃないか)」
ジェイソン・コリンズは、試合前の会見でそう言った。
古巣のブルックリン・ネッツと契約し、さっそく試合に出場したジェイソン・コリンズ 昨年4月末、『スポーツ・イラストレイテッド』誌で自身が同性愛者であることを公表したコリンズ。今シーズンはどのチームからも契約のオファーがなく、開幕後もひとりでトレーニングを続け、声がかかるのを待っていた。すると2月23日、古巣のブルックリン・ネッツから10日間契約(※)のオファーがあり、コリンズは契約したその日のロサンゼルス・レイカーズ戦に出場したのである。
※10日間が経過すると契約は解除されるが、チームが望めばさらに契約を延長することができる。
コリンズは、会見でこう続けた。
「プロであるということは、いつでも準備を整えておくということだ」
それは、「試合に出られるようなコンディショニングを整えていた」という意味であるとともに、アメリカ4大プロスポーツ史上初めてゲイであることを公言している現役選手として、「世間の注目に応対できるだけの気持ちの準備ができている」という意味でもあった。
契約した直後の試合がコリンズの生まれ育ったロサンゼルスでの試合だったのは、偶然とはいえ、まるでこの日のために用意されたステージのようだった。第2クォーターの10分28秒、コリンズがコートに入ると、レイカーズの本拠地ステイプルズ・センターのスタンドから拍手が起こった。大げさなスタンディング・オベーションではなく、かといって敵チームの選手にしては少しだけ大きく、暖かな拍手――。
1 / 3