【NBA】ステファン・カリーが欲しかった「もうひとつのトロフィー」

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by Gatty Images

 カンファレンス・ファイナルのまっただ中、現地5月21日に発表された今季のオールNBAチームの1stチームに選出されたのは、以下の5選手だった。ステファン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ/PG)、ジェームス・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ/SG)、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ/SF)、アンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ペリカンズ/PF)、マーク・ガソル(メンフィス・グリズリーズ/C)。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

ウォリアーズを40年ぶりのNBA優勝に導いたステファン・カリーウォリアーズを40年ぶりのNBA優勝に導いたステファン・カリー そのときから、予感はしていた。「今季のプレーオフの主役は、カリーではないか」と――。なぜならば、今季のレギュラーシーズンMVPに輝いた27歳のポイントガードは、1stチーム発表時、すでに上記5名のうち2名とプレーオフで対峙し、ともに撃破していたからだ。

 レギュラーシーズンで両リーグを通じて最高勝率(67勝15敗・勝率.817)をマークしたウォリアーズは、ウェスタン・カンファレンスの第1シードとしてプレーオフに挑んだ。そして迎えたファーストラウンドでは、アンソニー・デイビス率いるニューオーリンズ・ペリカンズを4連勝でスウィープ。成長著しいリーグ屈指のパワーフォワードを無敗で一蹴した。

 プレーオフ初出場だった22歳のデイビスは、1試合平均31.5得点をマークし、キャリア最初のプレーオフ4試合でカリーム・アブドゥル=ジャバー(1969年~1989年/ロサンゼルス・レイカーズなど)やウィルト・チェンバレン(1959年~1973年/フィラデルフィア・76ersなど)といったNBAのレジェンドに並ぶ、「平均30得点・10リバウンド以上」のスタッツを残したNBA史上4人目の選手となった。

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