【Bプレミア】「わずか1人、されど1人」Bリーグに導入された「オンザコートフリー」 チーム戦術と日本人選手に与える影響とは
外国出身選手が同時に4人出場できるようになったBプレミア photo by B.LEAGUE
Bリーグ「オンザコートフリー」がもたらす影響〜前編〜
リーグ誕生から11年目を迎え、2026-27シーズンからトップカテゴリーを「Bプレミア」とあらため、新たなスタートを切ったBリーグ。昇格制の廃止や選手の総年俸に制限を設けるサラリーキャップ制度の導入など、大きな変革がもたらされているが、コート上のパフォーマンスに大きく影響しているのが、「オンザコートフリー(on the court free)」の採用だ。5人の出場選手のうち外国出身選手(帰化選手含む)4名が同時にコートに立てるルールは、チーム戦術、そして日本人選手にどのような変化をもたらしているのか。選手たちの声を拾いながら、考察する。
*文中の数字等はすべて10月29日現在。
【ゲームのあり方を変えた"オン4"】
ほとんど話題の中心となっているような状態だ。
Bプレミアが始まったのに伴って採用された「オンザコートフリー」ルールのことだ。これまでの日本の男子バスケットボールリーグ(主にトップカテゴリー)の歴史では、コートに立つことのできる外国籍選手の数には常に制限があった。
それが初めて取り払われる形となった。日本人選手たちがサイズや身体能力に秀でた外国出身選手たちと日常的に対峙することにより、日本人選手の向上を含め、Bリーグや日本代表チームのレベルアップを期待してのものだ。
オンザコートフリーが採用されたとはいえ、チームが登録できる外国籍選手の数は最大3人までで、帰化選手もしくはアジア枠(リーグ指定の国・地域)の選手も1名を登録できるため、コートに立つことのできる外国出身者は最大4名となる。そのためオンザコートフリーのことを「オン4(フォー)」と呼ぶ場合もある。
外国出身選手の数が昨シーズンまでの最大3名から、Bプレミアでは同4名となった。わずか1人、されど1人だ。その「1」は、Bリーグに大きな渦を作り出した。有り体に言えば、バスケットボールのあり方が変わった。
オンザコートフリーとなったことで多くのチームがディフェンスの際、「スイッチ」をより頻繁にするようになった。スイッチとは、オフェンス側が味方選手を衝立(スクリーン)として使いながらマークを外そうとしてきた時に、ディフェンス側が守る選手を交換することで相手に容易に攻撃させないようにする戦術だ。
もし、スイッチが発生し、小さな選手が大きな選手を守る形となれば不利が生じてしまう。そのため、多くのチームでサイズの大きな選手を起用することで、そうならないようにしている傾向がある。
このルールの採用で、日本人選手の出場機会において明暗が分かれているが、多くの選手たちは「守ること」ができて初めてコーチ陣の信頼を得られるという認識であるように見受けられる。
琉球ゴールデンキングスの佐土原遼は、身長192cmながら分厚い体躯と機動力を駆使しフィジカルなプレーを好み、従前から自身よりもはるかに大きな選手につくことも多かった。オンザコートフリーの時代で日本人選手に求められることを問われた彼は「大前提としてディフェンスができないといけない」と述べている。
「オンザコートフリーになって外国出身選手が4人いるとなると、外国人も守れる日本人が重宝されると思います。フィジカルに守れて、バーティカルのプレー(腕を垂直方向に上げて守る)でファウルをしないで守れる選手が、このリーグのなかで重宝されると思います」
ただ、体躯や体の強さのある佐土原の出場時間にはほとんど変化はないものの、チーム状況やポジションによって日本人選手の出場時間の増減が、なかば如実に表れている。
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著者プロフィール
永塚和志 (ながつか・かずし)
スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。
Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、 2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。 他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験 もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社) があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・ 篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社) 等の取材構成にも関わっている。

