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【Bプレミア】「わずか1人、されど1人」Bリーグに導入された「オンザコートフリー」 チーム戦術と日本人選手に与える影響とは (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【プレー時間を伸ばす日本人選手のタイプは?】

 スイッチディフェンスが増えたと記したが、守る側のポジション間の選手のサイズ差が小さいほうが、これを行ないやすい。そのことで、サイズのある日本人選手たちの多くが昨シーズンと比べて1試合の平均出場時間を伸ばしている。

 大阪エヴェッサのセンター/フォワード、竹内譲次(207cm)は41歳の年齢にもかかわらず、2025-26シーズンの1試合平均13分58秒から今シーズンはここまで23分48秒と約10分もコートに立つ時間を伸ばしている。彼の双子の兄・公輔(206cm、宇都宮ブレックス)も、最近では出番を減らしてはいるものの、開幕直後は15分以上の出場を続けていた。横浜ビー・コルセアーズとのシーズン初戦では22分35秒の出場を果たし、試合後には当人も「正直、今日こんなに出られるとは思わなかったです。いい意味で驚いたし、今日それに応えられていいスタートダッシュが切れた」と語っていた。

 そのほかでは、日本代表経験のあるシェーファー アヴィ幸樹(206cm、仙台89ERS)、ラシード ファラーズ(202cm、富山グラウジーズ)なども、より多くの時間でコートに立っている。ビッグマン以外でも、金近廉(197cm、千葉ジェッツ)や湧川颯斗(197cm、三遠ネオフェニックス)といった、身長のあるアウトサイドの選手たちも出場機会を増やしている。

 今シーズン、名古屋ダイヤモンドドルフィンズから横浜ビー・コルセアーズへ移籍したガード/フォワードの佐藤卓磨(197cm)は、Bプレミアに入って「日本人選手たちにとっては大きなチャンスでもあり、ピンチでもある」と話している。

 ピンチだというのはわかる。しかし、チャンスだ、というのはどういうことか。佐藤はオンザコートフリーの影響で日本人選手たちが「ふるいにかけられている」とも述べた。

 ふるいとは、トップレベルのスポーツにおいて、競争を意味する。競争を勝ち抜いた時にいられる自分は、従前よりも高いところにいられるのではないか。佐藤の言うチャンスとは、そのことを指す。

「本当に毎試合、今まででは考えられないくらいにエース級、トップ級の選手につくことで技も学べるし、体の当て方とかも全然、違います。そのぶん、準備も必要なんですけど、レベルの高い選手とマッチアップすることで、より日本人選手のレベルが上がっていくのかなというのは身に染みて感じています」

 昨シーズンの佐藤は、大ケガの影響もあり15試合で1試合平均7分37秒の出場にとどまったが、新天地で迎えた今シーズンは、同21分54秒とコートに立つ時間を一気に伸ばしている。

 31歳の佐藤は「プレミアになるにあたって、自分にアドバンテージが生まれると思った」と話している。彼には身長197cmの恵まれた体躯と、小さなガードからビッグマンまで守ることのできる機動力があるが、そうした物理的な部分だけを指して「アドバンテージ」としたわけではないだろう。

 むしろ、オンザコートフリーという厳しい環境下で己を磨くことのできる「権利」のことを指していたのではないか。

後編につづく:1カ月強で見えてきたオンザコートフリーの実像とBリーグが目指す未来

著者プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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