【F1】角田裕毅の10位入賞はVSCの幸運だけじゃない 予選5位のアロンソを抑え込んだ絶妙な駆け引き (3ページ目)
【メカニックへ最低限のお返し】
予選の大きなミスとピットレーンスタートという状況を考えれば、夜遅くまで作業をしたメカニックたちのハードワークに対する最低限のお返しはできた。
「夜を徹して作業し、マシンを修復してくれたメカニックたちのために、最低限1ポイントでも持ち帰ることができて、なんかしらのお返しができたのはよかったと思います。マックスが優勝したように、チームとして正しい方向に向かっていることは間違いないだけに、予選で大きなミスを犯してしまったのは本当に悔やまれます」
それでも角田は、今の自分にできること、やるべきことを見つめ直し、決勝でもマシンへの理解を少しでも深めることに集中していたという。
「とても許されるようなミスではないと思いますし、(ミスを犯した自分自身に対する)フラストレーションは頭の片隅にまだあります。自分を見つめ直すいい機会になりました。
決勝ではあらためて、自信を一歩ずつビルドアップできたのはよかったと思います。ただ、まだ学習の途上で、改善しなければならないところはたくさんあると思っています」
大きなミスから自分を見つめ直し、立ち上がって成長する。角田裕樹の次の挑戦は、数日後に控えている。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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