トヨタがF1最少規模のハースと手を組んだ理由 互いにとってプライスレスな価値とは (4ページ目)
【トヨタとハースが新時代を切り拓いた】
まだ業務提携はスタートしたばかりで、具体的に何をいつ、どのように進めていくかを検討している段階でしかない。
すでにTGRのノウハウを使って、イギリスにあるハースのファクトリーへシミュレーターを設置するプロジェクトはスタートしているようだ。だが、TPCの実施は早くても2025年の第2四半期になる見込みで、パーツ製造についてもさまざまなトライ&エラーが必要になるだろう。
この業務提携の効果が実際に表われてくるのは2026年になるだろうと、小松代表は見ている。
「すでにいくつかのプロジェクトはスタートし始めていますが、たとえばシミュレーターなどは設置するのにも時間がかかりますし、コラレーション(相互関係)を取ったりして稼働できるようになるのは来年のかなり遅い時期になるのではないかと思っています。すぐに効果が出るとは思っていませんし、本当の効果が表われるのは2026年になるでしょうね」
ハースがF1界において躍進していくと同時に、TGRもF1の知見を得てさらに進化し、「人」が育っていく。そういった道があるということが、これから世界を目指す若い人たちに夢を与える。いや、夢だけでなく、夢に向かって進む道も創り出した。
トヨタとハースが、新しい時代を切り拓いたのだ。
「今回の提携は、人の育成というのが一番の目標としてありますし、そういう『人』が戦っている姿って一番共感を呼ぶと思うんです。日本から出てきたそういう人が世界で戦っているという姿を見せることが、これからの日本の若い人たちの将来につながっていくと思いますし、そこに貢献できることを楽しみにしています」(小松代表)
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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