【F1】角田裕毅「すべて間違っていた」 得意なはずのサーキットで突きつけられた厳しい現実 (3ページ目)
【1ストップ作戦を採っていれば...】
「ピットストップのタイミングもすべて間違っていた。ピットインするたびにポジションを落とし、遅いクルマにスタックしてダーティエアのなかで走ることになり、正直に言って理想的な戦略ではなかったと思います。タイヤ選択というよりも、ピットアウト後に遅いクルマにスタックしてしまったことが問題だったと思います」(角田)
1ストップ作戦を選んだダニエル・リカルドは13番グリッドからひとつポジションを上げて、ヒュルケンベルグの背後でフィニッシュしていた。それだけに角田も1ストップ作戦を採っていれば、という思いもないわけではない。
しかしそれで「入賞」を果たすには、自力に優るガスリーかアロンソを抜かなければならなかったわけで、このオランダGPでRBが戦略でどうにかできる範疇は超えていた。
だから、ギャンブルに敗れたことは問題ではない。ただそれでも、戦略としてうまく機能させられなかったことはしっかりと見詰め直し、次以降のレースに生かさなければならない。
「1ストップか2ストップか、どんな戦略がよかったのか。間違いなく戦略については、しっかりと振り返って話し合う必要があると思います。2ストップ作戦を採ったとしても、もっとうまくやれたところもあったと思うので、これからしっかりと見直す必要があります」
そしてなにより、マシンの開発を進め、純粋なポテンシャルを引き伸ばすこと。ウイリアムズが大きなアップデートで躍進し、アルピーヌも着実に改善を進めてきているなかで、開発が停滞しているRBが後退を余儀なくされるのは当たり前のことだ。
RBにとって有利だと思われていたザントフォールトで突きつけられた厳しい現実。シーズン後半戦の残り9戦に向けて、正念場を迎えている。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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