宮田莉朋がカート時代から知る角田裕毅を語る「当時からあのまんま。彼の弱点は知っていた」 (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro

── 角田選手とは、今でも連絡を取り合っているのですか?

「彼がF2に乗っていた時(2020年)はオンラインでつないで一緒にゲームをしていましたが、(角田が)F1に乗るか乗らないかというくらいになってから、お互いに連絡を取る機会は極端に減りました。誕生日の時はお互いにメッセージを送りますけど、それ以外で連絡をとることはなくなりましたね。

 何かを意識し始めたのか......当時は『角田選手がF1に行ったんだから、僕も行けるんじゃないか。絶対に僕もF1に行く』という想いがあったので、ちょっと一歩引いていたのかなと思います。

 ただ、2022年のF1日本GPに行った時に、久々にパドックで会うことができました。彼は僕の奥さんのことを以前から知っているので『結婚おめでとう!』と言ってくれたのですが、『もう(結婚して)1年経っているよ!』みたいなやり取りはしましたね(笑)。

 カート時代からサーキットで会っているので、僕たちの互いの親同士は昔から仲がいいんですよ。だから、よく角田家からうちの両親のもとへ電話がくるらしいです」

── いよいよ来季は、海外のサーキットを転戦することになります。そのなかで走るのが楽しみなサーキットはありますか?

「ドライバーとして走ってみたいのは......スパ・フランコルシャン(F1ベルギーGPの舞台)ですね。スパの人気はeスポーツでも高いです。eスポーツのスパ24時間レースも出ましたが、その時も観客は多かった。実際に走ってみると、どんな感じになるんだろうと、楽しみです。

 シミュレーターはクラッシュしても痛くはないので、いろんな走り方をトライしています。でも、実際にスパのコースを走ったら『オールージュは最初、アクセル全開ではいけないだろうな......』という恐怖もあります。でも、みんなが『走っていて面白い!』と言っているので、その意味をスパに行って知りたいですね」

<了>


【profile】
宮田莉朋(みやた・りとも)
1999年8月10日生まれ、神奈川県逗子市出身。両親の影響により幼少期からモータースポーツに興味を持ち、レーシングカートで数々のタイトルを獲得。フォーミュラ転向後も快進撃は止まらず、2016年〜2017年には2年連続でFIA F4選手権のチャンピオンとなる。2020年は全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権を制す。2023年にスーパーGTとスーパーフォーミュラでダブルタイトルを獲得。2024年はFIA F2選手権に参戦。身長171cm、体重67kg。

プロフィール

  • 吉田知弘

    吉田知弘 (よした・ともひろ)

    モータースポーツジャーナリスト。1984年12月19日生まれ、石川県出身。2011年よりスーパーGT、スーパーフォーミュラなど国内4輪レースを中心に取材。専門誌やweb媒体などで執筆中。日本モータースポーツ記者会所属。

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