宮田莉朋がカート時代から知る角田裕毅を語る「当時からあのまんま。彼の弱点は知っていた」 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro

── 当時の角田選手は、レースでどんな印象でしたか?

「あくまで僕が見た感覚ですけど、予選から調子よく走れていたら、その週末はずっと速い──という感じでしたね。

 2018年のFIA F4は角田選手がチャンピオンを獲りましたけど、あのシーズンは彼がほとんど優勝していました。ただ、彼が勝てなかった時のレースは、週末のなかで何かしらミスをしているんですよね。そのミスが週末の最後のレースであれば特に影響はないんですけど、例えば早い段階(練習走行や予選など)でミスをしたら、その週末はずっとダメな印象でした。

 それが、僕からしたら彼の弱点。カート時代もそうでしたが、逆にそのきっかけを僕たちが作ってしまえば、こっちが週末の流れをうまくコントロールできるなと思っていました。ただ、こっちが(ミスを)誘ってもそれを交わして突っ走られると、こっちとしては厄介というか『どうやって対抗しようかな......』というふうになりました。それができるのも、彼のすごいところ。

 2017年のFIA F4が、僕と彼が一緒に走った最後のシーズンでした。カート時代から彼の弱点を知っていてうまくやれたから、あのシーズンは彼に勝てたと思います」

── 角田選手にそんな弱点があったのですね。

「そこから彼も(弱点を)修正できたから、F1に行って今のポジションがあると思います。彼が波に乗った時は、手につけられない時もありました。しかし『絶対に勝てない』という感じにもならなかったですね。

 あと、彼は(周りを)気にせずに発言するタイプ。やっぱり外国人ってこっちから声をかけていかないと向こうから話してくれることはないですよね。彼は小さい頃からインターナショナルスクールに行っていたし、外国人っぽい雰囲気も持っていたと思います。

 だから向こう(海外)に行っても特に問題はなかっただろうし、海外では彼のそういうところが好かれているからファンも多いのでしょうね。いろんな部分で海外と合うところがあるのかなと思います」

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