角田裕毅の初ベガスは散々の出来 ギャンブル失敗→異音でマシンストップ...「ペナルティがないことを祈りたい」
カジノの街ラスベガスで、角田裕毅のギャンブルは見事に外れた。
決してラクな週末を期待していたわけではない。だが、初日から最下位に沈むとまでは思っていなかった。
ストレートの不利を解消するためにダウンフォースを削った。しかし、金曜フリー走行3回目ではわずかながらに改善が見られたものの、Q3どころかQ1突破も怪しいくらいのパフォーマンス......。
入賞できなければ意味がないのだから、失うものがない角田は予選に向けて、思いきったギャンブルをした。フロアに接するビームウイングを僚友ダニエル・リカルドよりも薄い仕様とし、すでに十分に薄いリアウイングをさらに削った。
角田裕毅にとって苦しい週末だった photo by TAKAHIRO MASUDA(BOOZY)この記事に関連する写真を見る「そもそもこのサーキットは、ウチのクルマには合わないだろうというのはわかっていました。だけど、ここまで合わないとは思いませんでした。
昨日から今日にかけてダウンフォースを下げていって、予選に向けてはちょっとギャンブルをして、僕のクルマだけさらにダウンフォースを下げてみました。ですけど、それがうまくいったのかいっていないのかもよくわからないですね。まだちゃんと走れていないんで」
予選Q1最後のアタック直前にトラフィックに飛び込んでしまい、スローダウンを強いられてタイヤが冷えてしまった。その結果、ターン5でロックアップして飛び出し、刻々と路面が向上するなかで最も重要な最終アタックを完遂できず、最後尾グリッドからのスタートとなった。
だからこそ、決勝でもギャンブルを仕掛けるしかなかった。
ソフトタイヤを履き、スタート直後にポジションアップを図る戦略を採った。ライバルたちは「ミディアム〜ハードの1ストップ作戦」という常套手段でくることが予想され、同じ戦略を採っても入賞圏までポジションアップできる可能性がほぼないことは明らかだったからだ。
1 / 3
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。